セ・リーグ運命の7連戦、注目されたその第3章だが、3位攻防戦の阪神×DeNA(甲子園)が突然のゲリラ豪雨でまさかの中止に。
石井大智や桐敷拓馬ら、登板過多の中継ぎ陣を休ませられた阪神にとっては〝恵みの雨〟といえそうだが、残り試合が多いDeNAにとっては今後、地獄の連戦が待ち受けることを意味する。
DeNAは残り試合がリーグ最多。この日の試合の振替えは9月24日、もしくは30日に組み込まれる公算が大きいが、前者なら9連戦、後者なら8連戦となる。最終盤の大型連戦でDeNAは窮地に立たされたといっていい。
「残り試合が最も少ない阪神は、24日に振替え試合が入ったとして最大で5連戦。さらに先発陣が豊富なだけに、昨年の日本シリーズで見せた短期決戦モードの〝第2先発〟を準備させる余裕ができることは大きい」(在阪スポーツ紙記者)
一方、マツダスタジアムでの首位攻防戦は、巨人が広島に3タテを食らわせた。3戦目は床田寛樹と戸郷翔征というエース対決となったが、床田は3回表に味方の守備のミスが重なるなど3点を献上するという不運。広島の勢いのなさを垣間見る結果となった。
巨人の戸郷はランナーを再三出しながら、粘りの投球で6回無失点。これが今の巨人である。さらに8回裏、二死一・二塁のピンチには守護神・大勢を登板させる執念で広島打線の追撃を封じると、巨人は9回、丸のツーランでダメを押したのだった。
「阿部監督の采配が冴えましたね。5点差に広がった9回裏、巨人ベンチは投手を交代させる選択肢が考えられましたが、大勢を回またぎさせて広島打線を完封。2戦目で得点差が開いたことで、大勢を休ませたことが大きかった。前日、今後を考えて打った布石が効いた形になりました」(スポーツ紙デスク)
1イニング9失点の逆転負けのあとは沈黙の完封負け。数字以上に精神的に厳しい状態に追い込まれた広島は優勝どころか、3位確保も危うそうな失速ぶりである。
ここにきてセ・リーグのペナント争いは、巨人と阪神に絞られつつあるのか…。
(石見剣)