新庄剛志監督が本拠地エスコンフィールドでの「クライマックスシリーズ主催」実現に向け、ラストスパートをかけている。今後、ロッテと楽天の3位争いがさらに過熱すれば、2位・日本ハムとのゲーム差はドンドン広がっていく。
クライマックスシリーズ・ファーストステージの舞台がエスコンフィールドに決まる可能性は高い。その「勝因」は、球団の査定基準の見直しだろう。
日本ハムのブルペン陣のHP(ホールド+セーブ)は159(9月18日時点)で、12球団トップ。ホールドだけを見ても、12球団でダントツの136を稼ぎ出している。
どちらかといえば、日本ハムの査定は減点方式だった。しかし昨オフ、新庄監督が「イニング跨ぎをしてくれたらその都度、プラスポイントをつけてほしい」とフロントに申し入れ。それがリリーフ投手のヤル気につながったわけだが、フロントが聞き入れた理由というのが興味深い。
「エスコンフィールドを運営するファイターズスポーツ&エンターテイメントが今年3月に、2023年12月期の決算報告を発表しました。売上高215億3500万円、経常利益は22億9300万円です。前年の売上高は111億1000万円、経常利益は500万円のマイナスでした。売上高が約2倍になることは、2023年シーズンが終了した時点で分かっていました。新庄監督の『リリーバーならイニング跨ぎ、野手なら進塁打は安打と同じ評価をしてほしい』というお願いは、簡単に聞き入れられる状況でした」(球団関係者)
エスコンフィールド初年度の収益は、外国人選手や国内FA選手の獲得費用に回された。言い換えれば、エスコンフィールドの収益がチームを強くしたのである。
「2位を確保し、CSの主催権を得られれば、その収益を元手にさらなる補強を仕掛けてくるかもしれません」(スポーツ紙記者)
今季は投打ともに好成績を残した選手が多い。前年最下位から2位への躍進で、ファイターズナインは大幅昇給となりそうだ。
(飯山満/スポーツライター)