芸能

若手芸人の「苦情と要求」にまるで迎合しないサンドウィッチマン「我が道を行く」正しいおじさんの姿

「おじさん構文」とか「まるハラ」とか、「今、若者の間では…」みたいなことをメディアが取り上げて「だから世のおじさんたちはもっと勉強をして気を付けましょうね」的に話をまとめられるたびに「うっせぇよ! なんでこっち側にばかり歩み寄りを求めんだよ」と腹を立てている。そんなもの、「それってあなたの感想ですよね」とZ世代が崇拝するひろゆきの言葉を使って一蹴してやればいいのに…。

 そもそも世代によって価値観や興味、思想や感想なんてものは違って当たり前。「反発、反目上等!」くらいで無視すればいいものを、世のおじさん達は「老害」のレッテルを貼られるのを恐れて、下の世代からの同調圧力に屈してしまうから情けない。

 しかし、中にはしっかりと信念を持って自分たちのやり方を通す、おじさんの星がいる。それはお笑いコンビのサンドウィッチマンだ。

 先日の「証言者バラエティ アンタウォッチマン!」(テレビ朝日系)でのこと。「芸歴1~2年目の20代前半にもかかわらず、賞レースで結果を出し始めている若手芸人達」というくくりで、えびしゃ×ナユタ×友田オレ×伝書鳩の4組が出演。それぞれがネタを披露したあと、「売れている先輩芸人へ、若手芸人からの主張」というトークコーナーがあった。

 えびしゃの大根勇樹が「キン肉マンボケを抑えてほしい」と苦情を言うと、おなじくメンバーの中村シュンスケが「あと『男塾(※『魁!!男塾』)です。キン肉マンボケを男塾ボケでたとえ直す時がある」。さらに同メンバーのサエキが「分からないことで分からないことを(たとえ直すの)やめて下さい」と抗議。サンドウィッチマンが往年の「週刊少年ジャンプ」の人気漫画のネタをボケに使うことに、苦言を呈したのだった。

 これにアンタッチャブル山崎弘也が「何が分かんなかった?」と質問すると、その横でサンド・伊達みきおが「『男塾名物・竹林剣相撲』とかね」と、自分たちの漫才の中で使ったボケを挙げる。すると中村が「名物がひとつも名物じゃないんで、僕らにとっては」と返し、続けて「でも、僕らは否定したいわけじゃなくて、僕らも勉強するんで是非、先輩方にも僕らの文化を勉強してほしい」と注文をつけた。

 終始、大笑いで若手の意見を聞いていたサンドウィッチマンの2人だったが、この意見に対して伊達は「今ね、実は新ネタ作ってるんですよ、漫才の。キン肉マン4つぐらい出てくるの」と返し、あくまで我が道を行く姿勢を見せたのだった。

 そもそも「古い漫画のネタを使われても分からない」的なことは、前々から兼近(EXIT)が提唱していたものだ。それをこの場で自分の意見のようにブッ込んでくる若手の「いまさら感」に対しては「僕らも勉強するんで」と言うわりに予習が足りない、と言わざるをえない。

 サンドは無理に歩み寄る必要などないのだ。世のおじさん達も若者に迎合することなく、悪魔将軍の「超人硬度10・ダイヤモンドパワー」ばりの固い信念を持ってほしいと思う。

(堀江南)

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