9月24日に放送された「ひるおび」(TBS系)が最低だったと、番組視聴中に途中離脱した視聴者が続出したという。
というのも、豪雨被害にあった石川県の被災者女性が番組取材に応じ、浸水で崩壊した自宅までレポーターを案内してくれた際、何を血迷ったのか、スタジオのMC恵俊彰が「地震と豪雨被害はどちらが大変ですか?」と聞いたからだ。
これには視聴者がびっくり。すかさず「最低の人間」「こういう人間が安全地帯から司会をするクソ番組」など、怒号の嵐になってしまった。週刊誌記者がそうした世間の声に同調しながら語る。
「取材を受けた主婦のうつろな目が印象的で、見ていて言葉にならなかったですね。それを見ていなかったのか、よくぞその場面で地震災害と豪雨災害の比較を聞けるものだと神経を疑ったのは同じです。何を聞くべきかわからなかったのかもしれません。ですが、事前にどういった人に取材をするかは聞いていたはず。だとしたら司会者失格です」
この日の恵の無礼はこれだけではなかった。
番組中盤からはいつものように「大谷翔平祭り上げタイム」。この日は、日本時間で明日の25日から行われる、パドレスとのナ・リーグ西地区の首位攻防3連戦がピックアップされた。
出演者たちは大谷が使った「ヒリヒリする9月」を連呼し、大谷所属のドジャースがマジック4で2位のパドレスに2勝すれば優勝だと盛り上げた。
しかし、ご存じのように相手のパドレスにはWBC日本代表のメンバーであるダルビッシュと松井裕樹が所属する。そして、もしもドジャース相手に3連勝すれば首位逆転となり、パドレスに優勝マジックがつくことになる。
つまり、日本の野球ファンとしては「どちらを応援していいのか…」と頭を抱える組み合わせなのだ。
ところが、番組MCの恵はダルビッシュや松井の名前などさらっと紹介するだけで、ドジャースがスイープ(3連敗)したら困る、2勝すれば優勝、1勝で終わってもマジックが2となり、その後のロッキーズ戦は「勝てますよね」とコメンテーターらに念押しし、とにかく「大谷が優勝しないと困る」というムードをあおり立てたのだ。
スポーツライターは「まあ、盛り上がり的に仕方ないですが…」とため息をつく。
「この日、MLBコメンテーターとして元レッドソックスの岡島秀樹氏が出演していました。岡島氏はもちろん首位のドジャースが有利としながら、それでも事あるごとにダルビッシュ投手の名前を出して、ドジャースの勝利だけを願う番組のムードを中和させようとしていた雰囲気がありました。そして、実際にメジャーでプレーした選手らしく、過去の対戦成績だけでなく、9月になって好調なパドレスを油断できない相手としてスイープもありうると話していました。そのたびにMCの恵から反論的なツッコミを受けましたが…」
とにかく、恵はダルビッシュの逆転優勝では困るのだ。しかし、番組を見ていた野球ファンからは「平等に応援できないなんて、もしこれが政治なら大問題では?」と怒りの声が。
恵は番組の最後にドジャース×パドレス戦を「世界が注目する」と表現していたが、それさえ「ちょっとクレイジー」と感じてしまったと言ったら、少し苦言を呈しすぎだろうか。
(高木莉子)