作者のさいとう・たかを氏が亡くなった後も「ビッグコミック」での連載が続いている、大ヒット漫画「ゴルゴ13」。さいとう氏がいなくても連載を続けているのは、さいとう・プロダクションが分業制を取り入れているからだ。
しかし、さいとう氏の晩年から、作品に少しずつ変化が現れていた。モブキャラが違った絵柄になったのは、その一例だ。さらに「ビッグコミック」10月10日号に掲載された第642話「女の平和 後編」では、劇的な変化が起きている。
「デューク東郷は仕事に『M16』というアサルトライフルを、主に用います。特別な狙撃の場合は他の銃を使うこともありましたが、M16がほとんど。しかしこの最新回では、ベルギーのFN社が開発した『FN P90』という短機関銃を使用しました」(漫画評論家)
P90を使った理由として、銃弾が人体の中に留まりやすいため、貫通しての2次被害を防ぐことができるとしている。そのために愛用のM16を使わなかったというのだ。先の漫画評論家は驚きを隠さない。
「デューク東郷がM16を使うようになった理由は、さいとう氏が現代の殺し屋にふさわしい銃だと判断したから。当時としては新しいデザインだったのです。ただ、M16はアサルトライフルで狙撃に適した銃ではなかったので、のちに『ワンマンアーミーのゴルゴ13は、狙撃から銃撃戦までひとつの銃で対応しないといけない。それにはM16が最適である』という理由が後づけされました。それだけに、デューク東郷はM16にこだわりがあります。本来ならば、今回もM16を使っていたはず。それがP90になったということは、デューク東郷に変化が起きているということです」
今後は新たなデューク東郷が見られるかもしれない。もしかすると、ニッコリ笑う姿だとか…。
(鈴木誠)