サッカー五輪代表がスペインに0-3で敗れ、その実力差をまざまざと見せつけられたのは、パリ五輪の準々決勝だった。勝敗を分けたのは何か。元日本代表の城彰二氏が自身のYouTubeチャンネルで明らかにした。
理由のひとつは、パスの精度だった。
「俺から相手にパスが通れば、ボールがどこにいこうが成功と思っているが、高いレベル、世界は違っている。相手が左足に欲しかった、左足のインサイドでコントロールしたかったのに、右足に出したらこれはミス。世界はこれをミスと捉える」
ただパスを通すだけでなく、どこに送るかが重要であると指摘したのである。相手選手が欲しがった場所にパスがいけば、すぐに次の行動を起こすことができ、テンポよく攻撃できるからだ。日本はこれができていないのだが、
「スペインは小さい頃から(これが)当たり前。俺がスペインでプレーした時、パスが通っても自分が求めている所にこないと『ふざけるな!』と言ってくる。パスのスピードもコントロールも、日本とは違う」
この差を埋めるには、育成世代から指導していくしかないと、城氏は力説。次のような提言を行った。
「小さいうちから指導していかないと、変わらない。大人になってからは難しい。小さい頃から指導を受けて、自分でも要求するような感じにしないと。もっと細かく詰めていかないと無理なんじゃないかな。日本はある程度は戦えるようになったけど、ここからワンランク上にいくためには、やらないと。もしできれば、ステージが上がるんじゃないかな。今はスペインとは2ステージぐらい違うからね」
ドーハ世代やトルシエジャパンと比べると、日本は確かに強くなった。それでも世界と戦うにはまだまだ足りないものがあり、補っていかなければ張り合えない。城氏の厳しい提言は、日本サッカーにとって絶対に必要なものだと言えそうだ。
(鈴木誠)