12月17日にサッカー元日本代表の中村俊輔氏の引退試合が行われるのを受け、引退試合に出場する城彰二氏が自身のYouTubeチャンネルで「引退試合の裏側」を明かした。城氏は2008年に横浜FCの主催で引退試合を行っているため、事情には詳しい。
まず、引退試合を主催するのは最後に所属したクラブと決まっていて、長く在籍したチームやピークを迎えた時のクラブではないのだという。中村俊輔氏でいうなら最も長く在籍し活躍したクラブは横浜F・マリノスだが、最後は横浜FCだったので引退試合は横浜FCが主催する。城氏は、
「自分が所属した全クラブに協力してもらって引退試合をやろうと申請したが許可がおりず、最後に所属した横浜FCが主催で行った」
と明かした。
また引退した年にすぐ引退試合を行うこともできないのだという。
他にもこんな規約があるとサッカーライターが補足する。
「引退試合の会場は原則として主催するクラブのホームと決まっています。また引退試合は1回しか開催することができません。加えて以前は、Jリーグおよび天皇杯の公式戦に通算500試合以上出場した選手しか引退試合を行うことはできませんでした。城氏は500試合に達していませんでしたが、功績を認められて特別に許可が下りた。その後、500試合出場は現実的ではないとして規約から外れています」
開催のハードルがなかなか高い引退試合だが、城氏によると試合が行われてからの「演出」も難しいのだという。
「中村俊輔にゴールを決めさせてあげたいし、いい位置でFKを蹴らせてあげたい。演出しすぎてもダメなので難しいのよ。以前、中田浩二の引退試合(柳沢敦、新井場徹との合同引退試合)に参加したが、浩二がゴールを決められなくて困った。せっかくPKを蹴ったのにGKの曽ヶ端(準)が止めちゃったり。それはそれで面白いけど」
中村俊輔の引退試合は豪華なメンバーが揃っただけに、そこまで心配をする必要はなさそうだ。
(鈴木誠)