「実力は知っていますし、それ以外のところでいいパフォーマンスを出してくれるピッチャーもいたというところで…(シーズン)途中、ケガをされていましたので、そういうところを踏まえて、今回は見送らせていただきました」
日本代表メンバーにロッテの佐々木朗希を入れなかった理由をこう語ったのは、侍ジャパンの井端弘和監督である。
10月9日に都内で開かれた会見で、11月に予定している「第3回WBSCプレミア12」の出場メンバーが発表された。2023年のワールド・ベースボール・クラシック参加者からは、巨人の戸郷翔征や中日の高橋宏斗らが選出されたが、若手主体のメンバー構成ながら佐々木、オリックス・宮城大弥、ヤクルト・村上宗隆が選外となった。スポーツ紙デスクが解説する。
「いずれもシーズン中の故障を懸念してのものでしょう。佐々木や村上は将来的なメジャー挑戦を宣言しているだけに、ヘタに無理をさせて故障でもしたら訴訟沙汰になりかねませんからね。どちらかといえば、今大会は井端監督が『切り札』と称した初選出メンバーがどれだけやれるのかを見定める意味合いが大きい。2026年に控えるWBCも主役はメジャーリーガーになる見込みで、控えとしてリリーフや一芸を持つ選手の見せ場が多くなりそうです」
そんな井端監督の肝いりといえば、巨人コーチ時代に指導した吉川尚輝がそのひとり。しかしながら、抜群の守備範囲を誇る「守備職人」の、代表入りを懸念する声が絶えないのだ。
「9月26日のDeNA戦でケイが投じた内角高めのボールを避けた時に、肋骨付近を痛めました。座薬などの痛み止めを服用することでごまかしていたみたいですが、9月29日のヤクルト戦、10月2日のDeNAとの最終戦は初回の攻撃で代打を送られて途中交代となりました。今季はプロ8年目で初めて全試合出場した上に、これからCSを勝ち抜くと日本シリーズまで控えている。ただでさえ腰に爆弾を抱えており、長期離脱を繰り返している選手です。無理がたたらなければいいですが…」(前出・スポーツ紙デスク)
「ガラスの怪物エース」だけでなく、愛弟子も「取扱注意」になるかもしれない。