野球日本代表・侍ジャパンの新監督就任が濃厚になった井端弘和氏に、早くも不安の声が持ち上がっている。 井端氏は現役時代に中日、巨人や侍ジャパンでもプレー。引退後は巨人1軍内野守備走塁コーチを担っており、一昨年の東京五輪でも、侍のコーチとして金メダル獲得に貢献している。その実績や指導者経験に問題があるわけではない。一番の不安材料は、興行面だというのだ。在京テレビ局スポーツ番組関係者は次のように話す。
「井端氏は玄人受けするタイプで、歴代の侍監督に比べると華がない。栗山英樹前監督のようなトーク力、発信力も期待できませんからね。3月のWBCで優勝してせっかく野球人気が再燃しているのに、地味な井端氏が監督で、どこまでその人気が持ちこたえられるか。スポンサーの面でも心配だらけです」
新生侍ジャパンのスタートは、11月に東京ドームで開催される「第2回アジアプロ野球チャンピオンシップ」。だがその大会にメンバーが揃うか、大いに疑問が残る。メジャー組では当然ながら、大谷翔平やダルビッシュ有は故障している関係で、参加が難しい。鈴木誠也、藤浪晋太郎、菊池雄星、前田健太ら他の現役メジャーリーガーは10月までポストシーズンを戦うことが濃厚で、肉体的、日程的にもプレーするのは不可能に近い。
国内組に目を向けても、オリックス・山本由伸、DeNAの今永昇太はポスティングでのメジャー移籍を目指しており、11月にプレーするリスクが高すぎる。クライマックスシリーズ、日本シリーズを戦い抜いたチームの選手は、所属球団が出し渋ることは間違いない。戦力的にはWBC時と比べて格段に劣る公算が高く、そうしたラインナップ初陣を戦うことになる。スポーツ紙プロ野球担当デスクは、
「韓国や台湾など他国は、打倒侍ジャパンに躍起になってくる。簡単に優勝できるほど野球は甘くない。でも優勝はマストでしょう」
もしぶざまな戦いが続けば、どうなるか。
「来年のパリ五輪を控えて他の競技が盛り上がってくる時期だけに、五輪競技にない野球に目が向かなくなる可能性がある。スポンサーも集まらない。そうなれば今後、テレビ中継があるかどうか…」(前出・在京テレビ局スポーツ番組関係者)
井端氏は貧乏クジを引くことになるのか。
(阿部勝彦)