綾瀬はるか主演のドラマ「奥様は、取り扱い注意」(日本テレビ系)が10月4日にスタート。その初回放送では綾瀬の演じる主婦が元・特殊工作員だったことが明かされ、クライマックスでは妻に暴力を振るっていたDV夫を制裁するシーンが展開された。鮮やかな手さばきで相手のパンチをさばく姿に視聴者は喝采を送っていたが、そのシーンを苦々しく思う人たちも少なくなかったという。スポーツ系のライターがささやく。
「そのDV夫がボクシング経験者で、しかも高校王者や大学王者に輝いた実力者という設定が、ボクシング関係者の逆鱗に触れたのです。妻に手をあげるばかりか、包丁で腹を刺すという異常性格者として描かれていたのですから、『ボクシングとDVを結びつけるな!』『素手で闘うボクサーに刃物を持たせるな!』と、二重の意味で非難が集まるのも当然でしょう」
作中では綾瀬がDV夫の元を訪れた際に、部屋に飾られた賞状やトロフィーをクローズアップ。さらに綾瀬による制裁シーンではトロフィー類に夫の頭を打ち付けていた。これでは「ボクサー夫=DV」という演出だと指摘されるのも当然だろう。
「それに加えて、どうせボクシングを描くならもっと正しく描いてほしいという声もあがっています。DV夫が飾っていた盾には『全日本大学ボクシングリーグ戦 男子ライト級 優勝』の文字が。しかし大学のリーグ戦は団体対抗戦ですし、日本のアマチュア個人戦には“成年の部”しかなく、大学王者なるものは存在しません。これも制作側がボクシングについてちゃんと調べていなかった証拠です」(前出・スポーツライター)
綾瀬の「元・特殊工作員」というキャラを際立たせるためにボクシングを利用したのかもしれないが、結果として脚本の底の浅さを露呈してしまったのかもしれない。
(金田麻有)