ドジャースVSパドレスのメジャーリーグ地区シリーズが、またとない盛り上がりを見せている。ワンプレーごとにパドレスファンからは「Beat LA(ドジャースを倒せ)」の大合唱が起きるなど、大谷翔平ともども「悪役」にされているのだ。
「パドレスの本拠地ぺトコ・パークだったことも影響していると思われます」(現地メディア関係者)
この異様な雰囲気の「仕掛け人」とされるのが、パドレスの三塁手マニー・マチャドだ。第2戦ではマチャドが7回の攻守交代の際、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督に向けてボールを投げたとされ、その映像が残っている。
ロバーツ監督は「あとで(映像を見て)知った」とコメントしているが、相手チームのベンチにボールを投げるのは、スポーツマンシップに反する行為だ。そのマチャド批判が、パドレスファンを逆に熱くさせたという。メジャーリーグを取材するジャーナリストが言うには、
「マチャドは激情型というか、すぐに感情的になることで有名です」
しかし、ボールを投げたとされる行為は、単にエキサイトしてやったものではない可能性も。というのも、パドレスファンはマチャドのしたたかな一面も知っているからだ。
「昨春のキャンプ中、マチャドは『オプトアウトの権利を持っているので、チームを出る』と発言したんです。球団は契約延長の交渉を急ぎ、2024年から11年3億5000万ドルの超大型契約を結び直しました。シーズン終了後であれば、ここまで大きな契約にはならなかったと思います。そもそも2023年シーズン途中で、トレードに出されていたかもしれません」(前出・ジャーナリスト)
かつては「乱闘のタネを撒き散らすケンカ屋」のイメージがあったが、近年はおとなしくしていた。後輩に相談されると、実績に裏打ちされた的確なアドバイスを送るなどし、人望は厚いという。そのマチャドが対戦チームの指揮官にボールを投げたのは単なる感情ではなく、別の狙いがあったのかもしれない。
「ドジャースナインをエキサイトさせ、本来の力を発揮させない作戦だったのでは」(前出・ジャーナリスト)
マチャドの計算だとしたら、大谷は厄介なヤツを敵に回してしまったことになる。
(飯山満/スポーツライター)