違法な性サービスを行う3店舗が相次いで摘発され、風営法違反の疑いで経営者18人が逮捕――。
大阪府堺市堺区と大阪市都島区での、10月8日の出来事である。うち2店舗では、他の客の行為が見える状態で営業が行われていたという。
こうした違法な店舗は、いわゆる「本番」を行う無許可の店がほとんどだ。法的リスクや性感染症の危険があるにもかかわらず、なぜ女性たちは違法店で働くのか。そんな経験を持つ女性にその理由を聞くと、
「違法店で働くのは、普通のお店で働けない女の子が多いです。一般的な性サービス店のプレイが面倒くさいとか、ヤル気がなくて遅刻が多い子などですね。違法店では本番行為をするだけで高収入を得られますし、普通の性サービス店よりも高い料金を取れるので、稼げるんです」
コロナ禍以降の不況により性サービス店で働く女性が増加したため、以前のように「誰でも働ける」という状況ではなくなったことも一因だという。
とりわけヤル気のない女性、あるいはクレームがつくことが多い女性は出勤しても客を付けてもらえず、働き続けることが難しくなる。こうした状況下、違法店は働き手が少なく、穴場的な存在になっていると、彼女は説明するのだ。
「私が働いていたのは、デリバリー型の違法店でした。普通の店と違って出勤せず、予約が入った時にだけ仕事に行くスタイルでした。違法店は事務所を持たず、待機場所は雑居ビルの一室など。女の子が待機するスペースがないことも多いです。その分、出勤しなくて済むので、予約が入らなくても無駄な時間を過ごすことがない、というメリットはありますね」
予約が入らない時間はマッチングアプリを利用して客を見つけていたと、この女性は語る。
コロナ禍の影響で性サービス業界は過当競争に陥り、一般的な店舗で働けない女性たちが違法店に流れ込む状況が明らかになっている。警察はこの現状を早急に把握し、取り締まりを強化する必要があろう。
(カワノアユミ)