日曜朝の情報番組「サンデーモーニング」(TBS系)に出演していた元共同通信記者の青木理氏が自民党支援者らを「劣等民族」と発言し、番組への出演を自粛している。同じく番組の常連である法政大学の田中優子名誉教授も、衆院選の応援演説で問題発言をブチかましてしまった。
田中氏の発言は、公示前の10月13日に八王子市内で開かれたイベントで飛び出した。東京24区から出馬している立憲民主党候補の応援に訪れたのだが、9月の自民党総裁選で高市早苗氏が決選投票に残り、あとわずかで総裁に選ばれて憲政史上初の女性首相になるかもしれなかったことについて、
「まずいと思った。日本の歴史に残る最初の女性総理。恥ずかしい」
と述べたのだ。さらに高市氏の猛批判を展開。
「安倍晋三が女装して現れた。女性がどういう歴史を歩み、政治がそれに対して何をしないといけないのか、一度も考えたことがない」
田中氏は法政大学の総長として、社会の多様性を強調してきた人物。総長時代には「HOSEI ONLINE」での「性同一性障害」と診断された卒業生との対談で、こう語っていた。
「自分は大事な存在であること、もし差別されたら差別と言うべきであることを日常からしっかり教えていきたい。そういう環境こそが本当の自由につながるのだと信じています」
まさにダイバーシティ(多様性)の重要性を訴えていたのである。
人権を尊重する教育者であるはずの田中氏に、同じ女性の高市氏を「安倍晋三元首相が女装して現れた」などと称する発想はないはずだが…。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)