今年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が受賞した際、首相官邸で取材に応じた林芳正官房長官の様子がどうもおかしかったことが取り沙汰されている。鼻の上に絆創膏をつけていたためだ。
林氏は外遊中だった石破茂首相に代わって記者団の取材に応じると、
「誠におめでたいことで、心よりお祝いを申し上げたい」
と述べたが、どうしても目線は鼻の上にいってしまう。そうした声が寄せられたのか、林氏は自身のXに理由を投稿。
〈鼻の絆創膏は、ホクロを除去した為です。ご心配おかけしてしまい申し訳ありません〉
これに対して出た声というのが「次の総裁選を見据えていますね」だった。
林氏は9月の自民党総裁選で、9人の候補者中4位だった。決選投票に残れなかったが、本人は総裁選後の日本経済新聞社などのインタビューに対し、
「4位という素晴らしい成績をいただいたことは、たいへん嬉しく思っている。でも喜んでいてはいけない。戦う以上は勝たなければならない。引き続き、精進を重ねたい」
そう語ると、なお首相の座に意欲を示した。
自民党内ではこの衆院選で、仮に自公で単独過半数に達しなかった場合、石破首相が退陣するとみられている。その場合、決選投票に残った高市早苗氏とともに、有力候補として浮上するのが林氏だ。ホクロ除去は何事もないように見えるが、意欲ありありの証左なのかもしれない。
(奈良原徹/政治ジャーナリスト)