11月9日に開幕するプロ野球の「ラグザスpresents第3回プレミア12」をめぐり、キューバ代表チームに問題が起きている。スポーツ紙記者が言う。
「中日の守護神ライデル・マルティネスの去就がどうなるのか、不透明なままです。来季、どのチームに在籍することになるのかを決めるのは、キューバ政府なので」
大会中の投球内容が、来季の在籍先決定に影響してくるかもしれないのだ。
また、元ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ、現ソフトバンクのリバン・モイネロ、2023年に巨人でプレーしたヨアン・ロペスなど、日本球界との関係が深い選手が多いことも理由のひとつだが、その28人のキューバ代表選手には、やはり今季で契約が満了する日本ハムのアリエル・マルティネスもいる。
そのマルティネスは日本ハムでは「捕手」で登録されているが、プレミア12大会では「内野手」になっていた。
「本人は捕手をやりたいと、よく話していました。肩の強さ、捕球のレベルは平均以上のレベルにあります」(前出・スポーツ紙記者)
今季のマルティネスは開幕4番でスタートしたが、レギュラーシーズンでスタメンマスクをかぶった試合はゼロ。キューバ代表チームは「捕手2人制」で大会に臨むため、「有事の際」にはマスクをかぶることになりそうだが、どちらかといえば打撃力を買われて代表入りした選手だ。
「マルティネスは日本ハムに残りたいような発言をしていますが、捕手出場の機会を求めているようでした。中日を出て日本ハムに移籍した背景には『捕手能力』も関係しています。日本人捕手のように配球を組み立てるのが得意ではないようですね」(球界関係者)
これは半ば冗談なのかもしれないが、日本ハムの投手数人がバラエティー番組に出演した際、マルティネスの配球を「ナゾのサイン」と称していた。持ち球ではない球種を要求されたというのだが、もし本当ならば「日本流」を学ばなければ、たとえ残留しても捕手としての出場機会は得られないだろう。
アリエル・マルティネスとライデル・マルティネスがともに中日に在籍していた頃、「A・マルティネス」「R・マルティネス」とユニフォームに表記されていた。2人が再会するキューバ代表でも、中日時代と同じ表記の予定だ。A・マルティネスから「バッテリーを組もう」と誘われたら、R・マルティネスの「中日愛」がグラつくかもしれない。
(飯山満/スポーツライター)