そりゃ、そうだろう。4年ぶり通算22回目のパ・リーグ優勝を達成したソフトバンク・ホークスの「優勝祝賀パレード」がすっかり「空気」の様相を呈しているのだ。
福岡では地元の各界を構成団体とする「2024年福岡ソフトバンクホークス優勝祝賀パレード実行委員会」が組織され、11月24日に優勝祝賀パレードを計画。資金調達のため、クラウドファンディングを立ち上げた。目標金額は「7300万円」としたが、ここまで集まったのは110万5000円(11月12日現在)で、支援者はわずか190人という寂しさ。小久保裕紀監督が9月23日に8度宙に舞ったことなど、すっかり過去の出来事と化している。日本シリーズでDeNAに4連敗して終戦を迎えたことで、お祝いムードは吹き飛んでしまった。
そしてクラウドファンディングの返礼品はというと、ミニ色紙、クリスタルキーホルダー、ハンドタオル(3000円)から始まり、Tシャツ(1万円)、メタルタンブラー(5万円)など様々。いちばんの高額商品は8グラムの純金バット300万円だが、ここまで支援者はゼロだ。1グラムあたりの地金価格が1万4700円程ということを考えると、いくらホークスファンとはいえ、ボッタクリ感は否めない。
これがファンの間ではすこぶる不評で、「こんなもん孫正義のポケットマネーで一発だろ」「横浜ならまだしも、ソフトバンクのクラファンなんて怒りしか買わない」「募集する意味がわからん。やりたきゃ勝手にやれ」などと、散々な言われようだ。
クラウドファンディング自体は地元の構成団体主導で行われているものの、日本シリーズでの悪夢の4連敗がトラウマになっているファンにとっては、もはや素直に支援する気にはなれないのである。
日本シリーズ第3戦、「指笛」でDeNA・東克樹の投球が妨害され、抗議する東を大笑いした小久保監督は、非難にまみれた。あの「事件」をきっかけにDeNAナインの怒りに火が付き、悪夢の連敗が始まったことを考えると、ホークスファンが「笛吹けども踊らず」なのは当然かもしれない。
(ケン高田)