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木村和司がラモス瑠偉の肩を抱き「ワシは幸せだ」Jリーグ開幕戦の裏にあった「イイ話」

 1993年のJリーグ開幕によって、日本サッカーは大きく発展した。5月15日に国立競技場で行われたヴェルディ川崎と横浜マリノスの開幕戦には6万人の観客が集まり、新時代の幕開けを予感させた。

 鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルでその試合を回想したのは、元日本代表のラモス瑠偉氏だ。当日のことは全て覚えているとして、こう証言したのだ。

「ピッチに入った時に俺、もう鳥肌が止まらなくて。まさか満員になっているとは思わなかった。3万人ぐらい来てるかなと思っていたぐらい。最高の舞台。相手はマリノス。今日こそ倒してやる。(木村)和司、覚えとけよ、と」

 しかし、試合は1-2で負けてしまう。試合後、ラモス氏が木村和司のところへ行き、「おめでとう」と言うと、

「和司が背中に手を置いて肩を組んで、『カリオカ(ラモス氏の愛称)、ワシは幸せだよ。このピッチに今日立てただけで幸せ』って言ってくれた。私たちはこの日を待っていた。15年近く待っていた。日本リーグの時から、日産と日本のサッカーを引っ張ってきた。あの舞台に立てて幸せだった」

 試合に負けたことは悔しかったが、木村のひと言で楽になった。気持ちを入れ替えて戦いを続け、ヴェルディ川崎はJリーグ初代王者になった。この時のホッとした気持ちをラモス氏は、

「読売クラブが日本リーグの最後の2年間、優勝していた。日本リーグが読売の優勝で終わって、Jリーグがヴェルディの優勝で始まらなかったらあかんぞ、って話をみんなでしていた」

 Jリーグ開幕の裏でそんな苦悩があったとは、驚きである。

(鈴木誠)

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