外国馬が勝ったのは、05年のアルカセットが最後。この約20年で日本馬が明らかに強くなったこともあるが、その日本馬が凱旋門賞へ行くと、いまだに力の半分も出せないのだから、ホームとアウェーの差が特に競馬では大きいということなのだろう。
初期のジャパンカップでは、そんな大きな利がありながら決してトップクラスではない外国馬に歯が立たなかったのだから、ようやくホームだ、アウェーだ、と言えるようになったとも考えられる。
ジャパンCの馬券の狙い方として、まさに06年以降は外国馬をハナから軽視(あるいは無視)するのが正解だったわけだが、今年は久々にそういうわけにはいかない。謙虚にビジターの戦力分析から入りたい。
オーギュストロダンは、ご存じディープインパクトの数少ない最終世代から出た欧州のトップホース。武豊騎手は、今年の凱旋門賞挑戦のついでにA・オブライエン厩舎の調教施設を見学。調教師のジープに同乗して、間近からこの馬の追い切りを見てきたという。
「研ぎ澄まされた馬体が印象的。ジャパンCを現役最後のレースに選択したことに、深く敬意を払います」と、本気で警戒している。
ゴリアットは、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSで、のちの凱旋門賞馬ブルーストッキングに完勝したあと、ロンシャンでGⅡを勝ってここへ。しかも鞍上は怖い怖いスミヨン。速い時計の裏付けがないからといって、バッサリ切るわけにはいかない。
ファンタスティックムーンは、ドイツのトップホース。ロンシャンで2度大敗しているが、これは日本のドウデュースと共通している戦績だ。外国勢の3番手だが、それでも例年のレベルを超えている。
日本馬のキャプテンは、天皇賞・秋ですごい勝ち方をしたドウデュースで間違いない。時に意外な凡走があるタイプだが、ようやく戦法が固まった感があり、イクイノックスを負かした府中の2400㍍で最高のパフォーマンスが期待できる。
ジャスティンパレスは、宝塚記念(10着)凡走のあと緩やかに上昇中。鞍上がクリスチャンで、プラスアルファがありそうだ。
チェルヴィニアは、ゴリゴリの牡馬相手で力勝負はキツそうだが、4キロもらいの54キロの斤量が強み。人気急落のドゥレッツァも、まだ見捨てられない。