早いもので、今年もいよいよ年の瀬が近づいてくる。恒例行事の「NHK紅白歌合戦」では視聴率の低迷から脱すべく、毎度のことながら出場歌手決定に悪戦苦闘しているようなのである。
昨年の平均世帯視聴率が第1部で29.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と初めて30%を割り込んだ。第2部も31・9%と前年より3.4ポイントも下げ、2部制となった1989年以降で歴代最低視聴率を記録した「紅白」。近年の視聴率は隔年ごとに前年より微増するだけの繰り返しで、90年代後半から右肩下がりを続けている。
当然ながら今年も、視聴者を〝古き良きテレビ〟の前に釘付けにするような目玉歌手との出演交渉に奔走してきたことだろう。
「一部ではB’zの出場が濃厚と報じられました。朝ドラ『おむすび』の主題歌を歌っている上、紅白の司会に同ドラマのヒロイン・橋本環奈が据えられてお膳立てができているというのが根拠でした。しかしながら、彼らには出演するメリットがない。朝ドラと紅白の制作はまったく畑が違い、同じ局だから連動しているというのは、NHKだけに芸能メディアの〝連想ゲーム〟に他なりません」(レコード会社関係者)
こうした敷居の高い大物にNHKが紅白出場を打診する際、1つのきっかけに「周年歌手」というキーワードがあるという。今年も多くのアーティストがそれに当てはまるといい、触手を伸ばしているようだ。
「デビュー40周年の菊池桃子(56)が実は、トップアイドル時代から紅白出場経験ゼロ。初出場すれば、往年のファンは歓喜するでしょう。やはり40周年の吉川晃司(59)は85年の紅白に出場しましたが、ギターに火をつけた上、叩き壊すパフォーマンスを披露して、その後10年以上、NHKを出禁。しかし一昨年の『あさイチ』に生出演し、当時の振る舞いを謝罪して禊は済んでいる。およそ40年ぶりに出場すればインパクトは大でしょう」(テレビ誌記者)
いずれにせよ、出演すればサプライズとなるような大物は、「OK」を取り付けるにもハードルが高い。
「彼ら、彼女らにとって紅白は望んで出る場所ではありません。選ばれて喜ぶウゾウムゾウと一括りにされたくないのです。そこで使う一手が『特別枠』になります。読んで字のごとく〝特別待遇〟です」(NHK関係者)
そんな囲い込み戦略の対象の中心が、今年も中森明菜(59)なのである。