JR東日本が最新技術を使った新型車両「HB-E220系」を発表した。
これまでの液体式とは違う、新たなディーゼルハイブリッドシステムを搭載し、環境に配慮。扉を1両あたり2から3に増やして、乗降しやすいようにした。車椅子やベビーカーのためのフリースペースや、防犯カメラと非常通話装置を設置。乗客の利便性が大きくアップする。
32両を製造し、八高線の高麗川~高崎間、東北本線の花巻~盛岡間、釜石線の花巻~釜石間で導入される。営業開始時期は2025年度下期だ。現在、非電化区間で活躍するキハ100系、キハ110系(写真)と置き換えられる。
HB-E220系の特徴は前述のとおり、ディーゼルハイブリッドシステムだ。キハ110系が採用している液体式気動車はディーゼルエンジンの回転力を使って駆動するが、HB-E220系はディーゼルエンジンで発電機を回し、その電力を使ってモーターを駆動させる。ディーゼルエンジンの回転力は全て、発電に振り分けられる。
まさに最新の車両なのだが、鉄道ファンからは早くも酷評されているのだ。問題とされているポイントは、シートだった。鉄道ライターが解説する。
「キハ110系はクロスシートとロングシートがあるセミクロスシートを採用していますが、HB-E220系はロングシート。クロスシートの方が車窓を楽しめるのに、なぜ無くしたのか。製造コストを削減するためなのでしょうが、明らかに改悪です」
そしてより大きく批判されているのが、窓である。鉄道ライターが続ける。
「HB-E220系は窓が小さく、数もキハ110系に比べて少ないんです。トイレがある車両では、窓が2つしかありません。これでは車窓から景色を楽しむことは難しい。HB-E220系が首都圏の通勤列車として運用されるのであれば問題ありませんが、実際は美しい景色を楽しめる釜石線を走ります。観光路線にこんな車両を投入するなんて、JR東日本は何を考えているのか、と大ブーイングが上がっているのです」
HB-E220系はひとまず32両が製造され、3路線に投入されるが、他の路線のキハ100系・110系も置き換えることになるのか。今後に注目したい。
(海野久泰)