もはや「飼い殺し」は自明だ。契約交渉で怒りの保留をしたソフトバンクのリチャード内野手のことである。
リチャードは11月22日に本拠地みずほペイペイドーム内の球団事務所で契約更改交渉に臨むも、今季推定年俸1000万円から現状維持の提示に怒りをにじませて判子を押さず。球団を通じて「評価と期待に対して判子を押す覚悟が決まらなかった。もう少し考えたい」とのコメントを発表した。球団関係者が事情を明かす。
「予想外の展開に慌てたのは報道陣で、記者会見場に現れないリチャードを捕まえようと、駐車場に殺到していました。12月上旬に改めて契約交渉しますが、話がまとまるかは不透明です」
今シーズン18本塁打で、通算5度目のウエスタン・リーグ本塁打王のタイトルを獲得した。だが1軍出場は、わずか15試合に終わった。スポーツ紙デスクは苦笑しきりで、
「ポジションが被る選手が増えるたびに、自身が十分なチャンスを与えられないままスペア扱いされていることに、大きな不満を抱いています。12月9日開催の現役ドラフトで放出してほしい気持ちは強いわけですが、球団側は消極的だと聞いています。リーグ優勝決定後も再昇格の声がかからなかったことを、リチャードがどうも根に持っているようで…」
年俸調停まで引き起こさなければいいが。