ソフトバンクの小久保裕紀監督が1月15日、故郷の和歌山の県庁と市役所を表敬訪問した。
小久保監督は和歌山県立星林高校から青山学院大を経て福岡ダイエーホークスに入団。「侍ジャパン」の監督などを経て2022、23年シーズンはソフトバンクの2軍監督を務めた。今季から1軍を任されたことで、地元でも優勝を期待する声が高まっている。
そんな小久保監督だが、チームの若手選手には不満もあるようで「本人がどこまで上りつめたいかどうか。(年俸)3000万円くらいで満足と思えば、そこで止まってします。3億円稼ぎたいと思ったら、それだけ(実際に稼ぐ)選手がいる」ともらし、我慢してでも起用したい選手がいないと嘆いた。
小久保監督にしてみれば常に上を目指して奮起しないと大成しないという思いがあるのだろう。2003年には突如、巨人へ無償トレードで移籍するなど、苦労を経験してきただけに含蓄のある言葉といえるだろう。
ところがそんな小久保監督に一部のファンから「おカネの話はしない方がいい」「凄まじい説得力だな」とツッコミの声が上がっている。
スポーツライターが語る。
「小久保監督は1997年のオフに発覚した『プロ野球脱税事件』の主犯格の1人として懲役1年、執行猶予2年、罰金700万円の有罪判決が言い渡されています。この時の処分選手はセ・パ合わせて19人にも上りました。小久保監督はこの中でも1番となる2833万円を脱税していたのですから、『お前がカネの話をするな』という野球ファンが現れるのは仕方ないのかもしれません」
確かに最近の若年層は「ほどほど」を好み、自分が周囲よりも目立つことを極端に嫌うタイプも少なくない。しかし、野球選手は成績を残し、それに見合った高報酬を得ることがファンの憧れにもなる。脱税で辛酸をなめた小久保監督だからこそ、若鷹にはがむしゃらに稼ぐようになってもらいたいという気持ちがあるのかもしれない。
(ケン高田)