サッカーJFLの第30節「アトレチコ鈴鹿×マルヤス岡崎」が11月24日に行われたが、鈴鹿に所属する元日本代表のFW三浦知良は4試合ぶりにベンチ入りすると、1600人以上の観客が見守る中、後半途中から出場。終盤にゴール前で味方のクロスに合わせたが決められず、フリーキックも壁に当たり、最終節でゴールネットを揺らすことはできなかった。
それでも自身が持つリーグ最年長出場記録を、57歳272日に更新。クラブとの契約は2026年1月まで結んでいるため、来季はプロ40年目を迎える。
一方で今季限りの退任を発表したのは、鈴鹿の朴康造監督だ。シーズン途中の7月から指揮官を任されたが、16チーム中11位と、結果を出すことはできなかった。
現役時代にはヴィッセル神戸でカズと一緒に試合に出場。本人公認でカズダンスを披露するほど憧れの存在であり、選手と監督の間柄になっても相性は抜群だった。カズのコンディションがよければ、試合に積極的に起用していたことだろう。
鈴鹿はこれから後任の監督探しを始めることになるが、大変なのはレジェンドの「取り扱い」だ。カズが出場するだけでマスコミが大勢集まり、クラブの宣伝効果は抜群。大ベテランの雄姿見たさに、足を運ぶ観客は多い。とはいえ、そろそろ還暦が見えてきて、20歳前後の若手選手と同じ土俵で戦うのは正直言って、厳しいものがある。Jリーグ関係者が言う。
「優勝や上位を狙ったり、若手選手に経験を積ませるのであれば、チーム内でカズの序列は低くなります。しかし、過去には『カズを全く起用せずにオーナーを怒らせて、クビになった』と噂された監督がいました。もちろん、カズを出場させなければいけない、などという契約条件はないでしょうが、半ば暗黙の了解みたいなものがあるので、指揮官のプレッシャーは相当なものだと聞きました。後任探しは難航するかもしれませんね」
レジェンドの起用法に理解を示す新監督は「カズ打ちゃ当たる」か。
(海原牧人)