サッカー日本代表の伊東純也が、「性加害を受けた」という虚偽の刑事告訴によって名誉を傷つけられたとして、告訴した女性2人に2億円の損害賠償を求めた民事訴訟が、11月26日に東京地裁で初公判を迎えた。
発端は今年2月の「週刊新潮」の報道だった。2023年6月に大阪市内のホテルで伊東とトレーナー男性に酒を飲まされ、泥酔して意識のない状態のまま性行為を強要されたという女性2人が「準強制性交罪」で刑事告訴した、というものだ。
すると伊東サイドは、虚偽の告訴をしたとして女性2人を「名誉棄損罪」で逆告訴。まさに泥仕合の様相を呈していた。
2月の報道後、伊東は日本代表に7カ月間も招集されず、アジアカップやW杯最終予選など大事な試合への出場を逃した。日本代表は戦力ダウンを強いられ、伊東自身もスポンサーが離れていくなど、実害をこうむってしまう。
9月には双方の刑事告訴が不起訴となり、冒頭の民事訴訟に舞台を移して両者の争いが続くこととなった。
「週刊新潮」も女性たちにダマされているとして、出版社を訴えなかった珍しいケース。女性たちは「ウソなら刑事告訴などしていない」と異例の記者会見で、真実であると強調。一方の伊東サイドは「虚偽のストーリー」であるとの主張を崩していない。
こんな状態では到底、サッカーに専念できないだろうと思いきや、そんなことはなかった。
伊東は所属するフランス1部リーグでアシスト王ランキング上位に名を連ねるなど奮闘。不起訴になったタイミングで代表に復帰を果たし、9月のW杯アジア最終予選の中国戦では復帰後、初得点をマークした。11月19日の中国戦では先発出場し、2得点に絡む活躍を見せた。
「徐々にではありますが、再び代表にフィットしつつあります。訴訟は弁護士に任せているとはいえ、関係者の間では『伊東は鋼のメンタルの持ち主』と話題になっています」(サッカーライター)
伊東のメンタル力は、以前から有名だった。
「大学進学の際、選んだのは関東大学リーグ1部の神奈川大学でした。理由は、サッカー推薦のオファーがあった大学のうち『家からいちばん近かったから』と、こちらの想像の斜め上を行く回答をしてみせました。代表合宿などでマスコミが大勢集まる場所で、大きな寝癖をつけたまま対応する。ベルギー、フランスと渡り歩いた今でも、英語はソコソコ、フランス語に至ってはサッカー用語ぐらいしか話せないことも公言している。伊東は『要は結果を出せばOK、みたいな感じですよ』と、とことんマイペースなんです」(前出・サッカーライター)
なんともゆるいキャラだが、その朴訥さも手伝い、同僚選手だけでなく、サッカーファンからも悪評は聞こえてこない。芸能界では同様の疑惑を持たれた松本人志が出版社への訴えを取り下げ、復帰問題で大揺れだ。
その点、伊東はスムーズに、しかも歓迎されながらの代表復帰。今後の裁判の行方が新たに影響を与えることは…あるのかないのか。