国内FA権を行使していた中日・木下拓哉捕手が200万円増の推定年俸7000万円で契約更改した。打てる捕手として去就が注目されていたキノタクは、球団と2年契約を結んで残留を決断。来シーズンは開幕スタメンを勝ち取り「ガンガン活躍できるように」と準備に余念がない。
その来季はプロ10年目を迎える。脂がのったプレーに期待したいところだが、そう簡単に物事は進まない。なにしろ木下について井上一樹監督は「特別扱いとかの優遇は全くない」と、レギュラー白紙を早々と宣言。若手を含めて競争で奪い取るように指示している。ネームバリューだけではスタメン入りできない情勢なのだ。
一方で阪神・坂本誠志郎、巨人・大城卓三がFA権を行使しながら、最終的には残留を決めた。ソフトバンク・甲斐拓也を含めて一時、騒がれていた「捕手大シャッフル」は幻に終わった。最もそのワリを食ったのが木下だ。本人からすれば「大金を得るチャンスを逃した」と嘆きたいところだろう。球団も実質的に現状維持の契約提示で、寂しい扱いだ。
もはや実力でやり返すしかないのである。