東京・歌舞伎町でマッチングアプリを悪用した「ぼったくり行為」があとを絶たない。警視庁はこの手口に関与したとして、バーの従業員である男女4人を風営法違反の疑いで逮捕した。
捜査関係者によれば、容疑者らはマッチングアプリを通じて男性と接触し、「行ってみたかった店がある」などと持ちかけて、バーへ誘導していたという。
バーの従業員であることを隠したまま、男性客にカードゲームをするなどの接待を行ったのだが、これらの営業行為は無許可で行われており、高額な飲食代を請求していた疑いが持たれている。
振り返れば昨年5月にも、同様の手口で男性客をぼったくりバーに誘導したとして、経営者が逮捕される事件が発生した。この際、客引きとして働いていた女性従業員は「闇バイトサイトで見つけた求人に応募した」と供述。こうした犯罪行為が男性だけでなく、女性にも広がっている実態が浮き彫りになった。
とりわけ「短期間で高収入が得られる」といった甘い言葉に引き寄せられ、知らぬ間に犯罪に関与してしまうケースはあとを絶たず、闇バイトの危険性が改めて指摘されている。
過去にマッチングアプリを利用したぼったくり行為に加担した女性のひとりは、次のように語る。
「昼間はマッチングアプリで1000通以上メッセージを送り、夜は接客。体力的にも精神的にもきつい仕事でしたが、月給はわずか20万円程度でした。割に合わないと思い、すぐに辞めました」
こうした「使い捨て」の働き方を強いられる女性が続出。高額報酬を目当てに応募した結果、エライめにあうのである。
警察は引き続き、こうした悪質な犯罪組織の実態解明と、被害防止に向けた啓発活動を強化する方針だ。
(カワノアユミ)