社会

東京~取手「往復運賃なんと24万円」JR東日本の庶民切り捨てビジネスはここまできた

 JR東日本はもう金とヒマを持て余す老人と富裕層しか客と思っていないのだろうか。12月末、かつて上野~札幌間を運行した寝台列車「カシオペア」の団体臨時列車が運行されることになった。

 この団体臨時列車は「カシオペア紀行 取手行き」。12月31日23時05分に上野駅を出発、常磐線を北上して茨城県の取手駅で夜を明かし、翌2025年1月1日午前6時4分に上野駅に戻ってくる。年越しをカシオペア車内で迎えるという企画列車だ。

 驚くのはその価格で、カシオペアは上野と札幌を結ぶ寝台列車「北斗星」より豪華でラグジュアリーな仕様の臨時寝台列車だったのだが、今回の企画もカシオペアツインを利用する9万円から、スイートルーム利用の24万円まで。わずか6時間の列車の旅としては、破格の値段といえる。参考までに、12月14日に仙台~上野間を片道運行する企画列車「カシオペア紀行」の料金は、大人4万5000円、小学生と幼児は2万2800円だ。

 常磐線沿線は茨城県と福島県の県境や日立駅など、朝日が見えるビュースポットが多いが、それら初日の出を拝める場所までの運行はない。それでもこの料金を安いと思うか高いと思うかは、人それぞれなのだろう。

 庶民にはなかなか手が出ない高額な企画列車を運行する一方で、JR東日本は今年10月に「青春18きっぷ」の運用ルールを大幅変更した。

 これまでは全国のJR線の普通列車に春・夏・冬休み期間中の任意の5日間で利用でき、5枚つづりの切符を複数人でシェアすることも可能だった。ところがこの冬の発売分から、自動改札利用ができるようになる代わりに「連続する3日間用(1万円)」と「連続する5日間用(1万2050円)」の2種類のみの販売に変更された。これには「自動改札に対応する切符を3枚つづり、5枚つづりにして、家族や友人でシェアできるようにすればよかった」という異論が出たのである。

 この改悪でワリを食ったのは文字通り「青春」を謳歌する若者。JR東日本に限っていえば、50歳以上のミドル世代、シニア世代には「青春18きっぷ」の代わりに年末年始やお盆休みの繁忙期以外の運賃を5%から最大30%も割引する「大人の休日倶楽部」サービスを提供している。これでは使い勝手の悪すぎる「青春18きっぷ」を買うよりも、格安な夜行バスや、お得感のある国内線の早割に流れてしまう。

 若者や出張族が使っていた「北斗星」や東京~大阪間の寝台急行「銀河」、夜行快速列車「ムーンライトながら」はもう存在しない。その上、鉄道会社が若い人たちの「ゆっくりと鉄道に乗る旅」の楽しみを奪うとは、あまりにヒドすぎやしないか。

(那須優子)

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