12月18日放送「水曜日のダウンタウン」(TBS系)は、大人気企画の「名探偵津田」第3弾だった。
そもそもこれは「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説」という企画。ダイアンの津田篤宏が、ニセのロケで呼び出された先で殺人事件に巻き込まれ、名探偵に仕立て上げられて、その事件を解決するまでは終わらない、というドッキリ系企画だった。
ターゲットの津田は、最初こそ明らかに面倒くさそうに「ドッキリに付き合わせれてる感」を全身から放出。いつものあの感じで怒鳴ったり舌打ちしたり、暴言を吐いたりする。
ところが事件の真相を解き明かしていくうちに、徐々に虚実の境界が曖昧になっていき、最後にはドッキリであることを忘れたように、名探偵になりきっていく。そんな姿が笑いと称賛を呼び、もはや当初の「~説」ではなく「名探偵津田」として世間に浸透したのだった。
で、今回の第3弾。まず前週の12月11日の放送では「有名人の卒業アルバム、その地元に行けば意外とすんなり手に入る説」のプレゼンターとして、津田が登場。普段の「水ダウ」の一企画のように進行していった。
VTR終わりにスタジオゲストの田中卓志(アンガールズ)が何者かに射殺され、騒然とする現場。浜田雅功(ダウンタウン)が「即死や」と言い、共演者の劇団ひとり、野々村友紀子、野呂佳代らも小芝居を打つと、津田は早々に感づいたように苦笑いだ。そして「名探偵津田」の企画が開始するという、急転直下の展開に。
実はこの翌日、浜田と沖縄へCM撮影に行き、ギャラ1000万円の仕事が入っていた津田。しかしこれは「名探偵津田」の企画を伏せて、津田のスケジュールを押さえておくための大ウソだ。嫌がる津田はそのままロケ地の新潟へと車で運ばれて…というところまでが放送された。
そして12月18日に「年末2時間スペシャル」として「名探偵津田」の続きとなったのである。
津田は「ギャラ1000万円のCM撮影」がウソだったのがよほどショックだったようで、過去の2回以上に不満が爆発し、愚痴を連発。
その上、同行した田中のマネージャー(という役)の女性が、綺麗な子ではあるが、性格が好みではないようで、津田のノリは非常に悪い。スタジオ収録からそのまま新潟まで車で運ばれ、日付を跨いだ深夜、眠気もあってか、現実の世界とドッキリ企画の境界がわからなくなり、大混乱だ。
それぞれを「1の世界」「2の世界」と表現し、田中のマネージャー役に説明を求めるが、独特すぎる表現にマネージャー役もスタジオでVTRを見ている面々もちんぷんかんぷんな様子だった。
いつにも増して態度の悪い津田に、視聴者によっては嫌悪感を覚える人がいるかもしれないが、事件は大きく展開。第2弾で津田を虜にした(津田本人も本気で惚れた)が、途中で無念の死を遂げたヒロイン「理沙」の双子の妹「理奈」として、前回と同じ女優が登場すると、途端に津田のテンションが爆上がり。
その後もアクション映画のような逃走劇や、津田の実のお母さんが登場したり、前回もバディを組んだみなみかわも出てきたりと、解決編では視聴者まで騙されていたことがわかる大どんでん返しが起き…と、見どころ満載。未視聴の方は是非、最後まで見てほしい。
今回も「名探偵津田」には大満足。これはTBSのお宝企画になる。大晦日も「CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル!2024→2025」などではなく「名探偵津田 年越しスペシャル」をやってくれた方が、数字をとれるのでは!?
(堀江南/テレビソムリエ)