「再生回数狙いのOB」とはいったい、誰のことなのだろうか。「ミスタードラゴンズ」、中日の立浪和義前監督が12月22日、愛知県豊橋市で開かれた講演会に姿を見せた。
「もし4年目があったら、どんな野球がしたかったですか」
とファンから問われると、バンテリンドームは点が入りにくい球場だとして、
「数年後には狭くなるっていう話も聞いています」
とラッキーゾーン設置を匂わせるなど、口調は軽やかだった。
立浪氏には他にも様々な質問が寄せられたが、オッと思ったのは次の問いに対するものだった。
「今後、YouTubeやXなどのSNSを使うことはあるのか」
立浪氏はなんと答えたか。
「YouTubeには基本的に出ないと思います。今、自分たちが現場にいる時に、プロ野球OBが再生回数を上げるために言わなくていいことまで言うような、ちょっとそういう風潮になっているので」
どうやらSNSにはかなり否定的なようで、しまいにはこう吐き捨てたのである。
「人のことを批判したり誹謗中傷するというのはたぶん、心が満たされてない人だと思うんですよね」
賛否両論のある、プロ野球OBによるYouTubeチャンネルだが、引退後のセカンドキャリアという面を考えれば、恩恵を受けている人は多い。しかし立浪氏の言うように、再生回数を上げるために、本来なら身内だけでしか語られることのない裏話やゴシップが取り上げられている現状がある。
ちなみに広島の緒方孝市元監督は、
「YouTubeに出てくれというお誘いは多いけど、どうも自分の中で考えが遠い」
と話している。どうやら立浪氏と同じ考えのようだ。
立浪氏がYouTubeチャンネルを開設したら、多くのファンがチャンネル登録するのは間違いないだろうが、残念ながら今のところ、その可能性は極めて低いのである。
(ケン高田)