広島カープが発売した2025年度の「マツダスタジアム年間指定席」が、11年連続で完売した。これまで購入してきた継続客の優先販売による完売であり、新規の販売は行われなかった。
11年連続であっという間に売れてしまい、球団はホクホク顔だが、納得がいかないファンがいる。近年は年間指定席が完売しているのにあちこちで空席が目立っており、球場で応援したくても入場できないケースが増えている。年間指定席を購入しているのは地元の企業などが多く、従業員の福利厚生や客への接待などで利用されている。試合開催日に必ず来場するわけではないので、どうしても空席ができてしまうのだ。
「今年こそは」と意気込んでいたファンは、またしても肩透かしを食らってしまったようで、「いい加減に抽選にしてほしい」「新規の人も買えるように、数年ごとにリセットしてみては」「パフォーマンスシート解禁しろよ。ビジター席よりファンが少ないって恥でしかない」などと怒りの声が相次いでいる。
マツダスタジアムの年間指定席は最も高いバックネット裏の「ロイヤルボックス」で、40万1500円。東京ドームの「ロイヤルウイング」327万6800円に比べれば激安だが、それだけに地元の法人だけでなく個人でも購入したいという人は多い。購入できれば毎日のようにスタジアムに足を運ぼうと考える人にとっては、空席を見るたびにげんなりしてしまうのだ。
日本ハムでは来場できなくなったシーズンシートチケットを買いたい人に提供する、公式のリセールサービス「Fチケ」があり、これが好評だ。購入者が1回の購入決済に対して1万1000円未満の場合は、手数料が550円。それ以上は購入額の5%がかかるのみ。行けなくなったチケットを無駄にしない、素晴らしい取組みといえるだろう。
そろそろ広島もエスコンフィールド北海道のようなリセールシステムの導入を、本気で検討するべきではないだろうか。
(ケン高田)