大ヒット作「ハリー・ポッター」シリーズの著者J.K.ローリングが、かつて暮らしていたことがある街が、スコットランドのエディンバラ。同作で登場する「ホグワーツ魔法魔術学校」のモデルだとされるのは、市街を見下ろす場所に立つエディンバラ城だ。
世界遺産に指定されているエディンバラ城は12世紀に造られたもので、歴代スコットランド王の居城として何世紀にもわたり修復・再建が繰り返され、現在に至っている。
中世から近代まで、スコットランドとイングランドとの対立により宗教をめぐる抗争が絶えなかったエディンバラは、1100年の歴史の中でなんと26回も包囲され、侵略を受けた都市。そのため、この街ではいたるところに戦場や虐殺場として人々の血が流れた場所があり、今もなお霊的現象があとを絶たない。世界最怖のホラータウンとして、海外からの観光客が訪れるのだ。
中でも恐怖伝説が満載なのがエディンバラ城であり、誰もいない城の窓越しに女性メイドが現れたり、地下には首のない男の幽霊が出没。さらには地下トンネル内で行方不明になったバグパイプ奏者の演奏が聞こえてきたりと、まさに心霊現象の宝庫なのである。
さらには、17世紀にエディンバラを統治していたジェームズ6世が行った「魔女狩り」により、500人以上の女性が火あぶりの刑に処されたというロイヤルマイルの「マーケット・プレイス」にも夜な夜な、亡くなった女性たちの幽霊が出没するという。
そして市街にある世界一呪われた墓場と言われるのが「グレイフライアーズ・カークヤード」。夜間ツアーでしか訪れることができないスポットだが、霊にひっかかれたり噛まれたり、押し倒されるといった心霊現象に見舞われることがしばしば。現在までにこのような現象が500件以上も報告されており、約170人が意識を失い、救急搬送される騒ぎも起こっている。
最も恐ろしいとされるのが、ジョージ・マッケンジーという男の霊だ。彼は17世紀当時の王だったチャールズ2世と敵対する民衆を、反逆者として墓地に隣接する刑務所に収容。その趣味は残虐な拷問後に息の根を止めるというもので、捕えてきた人々を責め殺してから体を切り刻み、切断した頭を鉄柵に刺したという。オカルト研究家によれば、
「そこで墓廟を作り、マッケンジーの呪いを封印していたそうなのですが、1990年代に浮浪者が墓廟のドアを開けてしまい、呪いが解放されたと言われています」
19世紀には遺体泥棒が墓を暴き、エディンバラ大学医学部に密売していたとの噂が出た。その怒りによって眠りから覚めた霊が、今も蠢いていると伝えられる。
(ジョン・ドゥ)