背任容疑で警視庁捜査2課に逮捕された東京女子医大元理事長の岩本絹子容疑者は、東京湾岸警察署(江東区)の「女性専用留置場」に収容され、「担当官の監視下での排泄」「300円程度の粗末な食事を前屈みで」「連日の厳しい取り調べ」といった過酷極まる日々を過ごしている。
その岩本容疑者は逮捕の翌々日、東京地検に送検された。送検後は東京湾岸署に留置されたまま、検察官による取り調べが開始された模様だが、起訴決定後のいずれかの時点で、身柄はそれまでの東京湾岸署から、葛飾区小菅にある東京拘置所に移送されるとみられる。
その際に待ち受けているのが「恥辱と屈辱の入所儀式」だ。「女帝」と言われた岩本容疑者にとって、この入所儀式はいかに過酷なものであるか。東京拘置所の元刑務官が明かす。
「東京拘置所に移送されるとまず、医師らによる身体検査が行われます。これは男女の別なく、全ての着衣を取り去った状態で実施され、男性の場合、危険なモノを体内に忍ばせていないか、陰茎の内側や直腸内まで徹底的に検査されます。直腸内の検査では、医療用のゴム手袋をはめた医師が指に潤滑剤を塗ってブスリとやる方法のほか、肛門からガラス棒を挿入して直腸内を目視する方法が採られることもあります」
恥辱と屈辱に満ちたこの入所儀式によって、それまでの自尊心をズタズタにされ、その後の取り調べであっさり「完オチ」に至る者が少なくないというからすさまじい。
では岩本容疑者のような女性の場合はどうか。元刑務官が続ける。
「女性に対する身体検査も、基本的には同じです。お尻を突き出させて行う直腸内検査も、容赦なく実施されますね。唯一、男性の身体検査と違うのは、直腸内の検査に加えて膣内検査が行われる点です。この場合、一連の身体検査を担当するのは女性医師になりますが、一糸まとわぬ状態で検査を受けさせられる女性のショックには男性以上のものがあり、その場でブルブルと震え出す女性も少なくないと聞いています」
その時、名門女子医大のかつての「女帝」は、どんな振る舞いで応じるのか。
岩本容疑者には今回の逮捕容疑以外についても、数多くの余罪が指摘されている。長年にわたって専横の限りを尽くしてきた代償は、あまりにも大きかったと言わざるをえない。
(石森巌)