引退した元タレントの中居正広氏と女性のトラブルに端を発したフジテレビ問題で、金融持株会社「SBIホールディングス」系運用会社「レオス・キャピタルワークス」が2月10日までに、フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングスの株式5%超を取得したと、各メディアが報じた。
レオスが関東財務局に提出した大量保有報告書で判明し、保有目的は「純投資」。広報担当者は一部メディアの取材に対し、次のように説明している。
「メディア株の割安さに以前から注目しており、特にフジは不動産関連の価値も高い。一連の記者会見を経て、今後の経営改革などの変化に期待している」
フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株価は、1カ月ほど前には1600円台にまで下落。しかし、メディア関連株の割安感やガバナンス(企業統治)改革が進むことへの期待感が高まったこともあって高騰に転じ、2月12日正午の時点で2700円を突破している。
すでに「物言う株主」として知られるダルトン・インベストメンツがフジ・メディアHDの株を7%超保有。フジテレビに対してオープンな会見の実施を申し入れたり、フジテレビのドンこと日枝久相談役に辞任要求を突き付けるなどしている。レオスも5%超の株を取得したが、かつての「救世主」が敵に回りそうだという。
「レオスの親会社SBIの北尾吉孝代表取締役会長兼社長兼CEOは2005年、実業家の堀江貴文氏がフジテレビに敵対的買収を仕掛けた際、窮地に追い込まれたフジテレビのホワイトナイト(敵対的買収の防衛者)となりました。堀江氏にとって、北尾氏は怨敵かと思われたのですが、その後に和解。2022年12月、堀江氏のロケットベンチャー会社が、SBIの傘下企業から10億円の資金を調達した。2人はすっかりビジネスパートナーとなりました。堀江氏をフジテレビの社長に推す声が上がっていますが、北尾氏はその動きをバックアップするために、SBIの傘下がフジテレビ株を大量買いしたと思われます」(全国紙経済部記者)
フジテレビはさらに苦境に追い込まれてしまったようだ。
(高木光一)