昨年の大みそかに放送された「第68回NHK紅白歌合戦」の視聴率が歴代ワースト3位だったことが、ビデオリサーチの調べで判明した。午後7時15分からの第1部の平均視聴率が35.8%、午後9時からの第2部でも40%に届かない39.4%(いずれも関東地区)だった。NHKが交渉を重ねて実現した安室奈美恵が出演するなど、例年に比べても注目度の高かった紅白だが、なぜ視聴率は振るわなかったのか──。
「裏番組のテレ東に年配層を持っていかれたのが痛かったですね」と語るのは同局の関係者。同日にテレビ東京系列で午後4時から6時間に渡って放送されていたのが、平均視聴率8.4%をマークした「第50回年忘れにっぽんの歌」。この関係者によれば、氷川きよしら紅白出場歌手のほか、山本譲二、美川憲一、北島三郎といった「“より紅白っぽい”歌手がテレ東に多数出ていたため、視聴者を奪われた」と指摘する。
さらに同関係者は「総合司会の内村光良さんが仕切るNHKのコント番組『LIFE!』のキャラクターによる演出がこの番組を知らない層を離脱させたのでは」と指摘する一方で「紅白審査員を務めた吉岡里帆さん、高橋一生さんには数字的に相当救われたと思いますよ」と語る。
なぜ吉岡と高橋に救われたのか──。
「今回の紅白では従来と審査員席の場所を変えていて、放送中ずっとMCの後ろに見栄えのいい吉岡さんと高橋さんが映るようにしていたんです。常時お二人が映っていることに関してSNSでの反響も大きく、『数パーセント、数字が底上げされたのでは』と見る局員もいます」(前出・NHK関係者)
思わぬところで注目を集めた吉岡と高橋なのであった。
(白川健一)