「♪わーかめ好き好きピチピチ~」と聞き覚えのある曲がテレビから流れてきたので、「久しぶりだな」と見てみたら、ゆうちゃみが「お前はどこのワカメじゃ」といつものキメ台詞を言っていたことに驚いた。
言わずと知れたエースコック「わかめラーメン」のCM。調べてみると、2月2日から新イメージキャラクターにゆうちゃみを起用した今回のバージョンが、全国で放送されているようだ。
「わかめラーメン」のCMといえば、昭和世代ならすぐに初代イメージキャラクター石立鉄男の顔を思い出すだろう。「おくさまは18歳」「パパと呼ばないで」といったドラマに並ぶ、石立の代表作品と言っても過言ではない。
その石立のあとを継ぎ、2016年から2代目イメージキャラクターを務めたのが柳沢慎吾。この人選はなかなか洒落が効いていた。なにしろ柳沢は「わかめラーメン」の石立をモノマネしていたし、懐かしのドラマ「少女に何が起ったか」で2人は共演もしている。
そして今回、「3代目」に就任したのがゆうちゃみなのだ。「なぜ、ゆうちゃみ?」と思うが、初代から2代目のような「縁」ではなく、単純に「令和版ということで、若くてピチピチのギャルを」と起用したのかもしれない。
東洋水産の即席袋麺「マルちゃんZUBAAAN!」の新CMも、年明けからみちょぱが起用されている。2022年に新商品として発売された時は米倉涼子だったが、こちらもギャルを起用しての世代交代ということだろうか。
そういえば、2月10日の「クローズアップ現代」(NHK総合)の特集は「あの一杯が消える!?どう守る日本のラーメン文化」だった。2024年に倒産・休廃業したラーメン店は過去最多を更新し、その8割以上が個人店であったこと、また、地方では店主の高齢化と担い手不足が原因で「ご当地ラーメン」にも危機が迫っていることなどを伝えていた。地方のラーメン店も、ラーメンCMキャラクターのようにギャルが継いでくれたら、存続できるかもしれない。
でもってそんな「ギャルマインドで地方の潰れかけたラーメン店をどんどん再生していく」というストーリーを朝ドラにすれば…って、それでは「おむすび」の悪夢を繰り返すだけか。
ひとまず「クロ現」にゲスト出演していた林家木久扇が「ラーメン党党首」の座を若いギャルタレントに譲ってみる、というのはどうだろう。
(堀江南/テレビソムリエ)