今年最初のJRAのGⅠレースだが、この前日に世界最高賞金のサウジカップ(日本時間では2月23日、午前2時40分発走予定)の開催があり、ウィルソンテソーロ、ウシュバテソーロ、フォーエバーヤング、ラムジェットという4頭の大戦力が中東に流出している。
フェブラリーSの1着賞金1億2000万円に対して、サウジCは1着1000万米ドル(約15億4000万円!)という10倍以上の規模。勝てなくても10着(20万米ドル=約3000万円)まで悪くない賞金が出るのだから、世界レベルに達した馬たちが日本を留守にするのもわかる。
フェブラリーSは上位5頭が抜けたメンバーでの戦いなのだが、それでも出走馬たちの持ち賞金は非常に高い。当落線上にいるサンライズホークは交流重賞3勝馬で、ペイシャエスも重賞2勝+交流重賞1勝の実績がありながら、除外濃厚という厳しさだ。
中東や米国のダート重賞の賞金高騰に引っ張られるように、日本のダート馬たちのレベルが急激にアップしているということで間違いない。
エンペラーワケアは、サウジCに登録しなかった。というのも距離適性がマイル以下。1800メートルのサウジCに無理に参戦する選択はなかったのだろう。それだけにここは大威張りの参戦。川田騎手は不在だが、引っかかる心配をしないで前に行く度胸を備えている横山武は適役の鞍上。ロードカナロア産駒らしい重心の低い走りでGⅠ馬へ上り詰める。
コスタノヴァもロードカナロア産駒。東京のダートは5戦全勝で、トライアルの根岸Sはまさに圧勝だった。この距離は1〜3勝クラスで経験して勝っているが、ベストが1400メートルなのは明らか。それでもキング姐さんなら上手に導いてくれそうだ。
ペプチドナイルは昨年の覇者。以来3戦勝ち星がないが、相手がレモンポップだっただけに善戦を評価すべき。昨年2着のガイアフォースはチャンピオンズカップの15着が評価を下げているが、ワンターンの競馬なら芝でも崩れていない。人気を考えるとこちらが妙味かも。
4歳代表はミッキーファイト。マイルがベストではないが、ここを勝つようなら来年はサウジCが狙える。サンライズジパング は、音無厩舎のラストGⅠという後押しがあるか。