チャンピオンズCに登録している5戦5勝のヤマニンウルスは、出走馬決定賞金の順位が19位。坂路で上がり11秒台を連発して、デビュー以来最高の仕上げとなっているのに、16頭のフルゲートからハジかれることになった。
ファンとしてもこういう馬が最高峰の舞台で走るところを見たいだろうし、興行的にもこの馬が出るか出ないかで億単位の馬券の売り上げが違ってくる。ひと言で言えば、こんなもったいない除外はない。
以前にもどこかのコラムで書いたことだが、こういうもったいない事態を防ぐ方法は、簡単なこととしてある。GⅠに限らず、あらかじめ登録が必要な特別以上のレースには、必要に応じて「開催委員長優先枠」が発動する可能性があることを宣言しておけばいいだけなのだ。
それによってハジかれる馬が出てしまうが、それを不公平と言うのはあたらない。ファンが出したいと思う馬を、主催者側が気を利かせて拾うだけのこと。その優先枠が発動されるのは年に一度あるかないかで構わないので、まずはそういう制度を用意しておけばいい。それだけで解決する「もったいない」が、これからもあるはずだ。
1番人気になるのはレモンポップ。ここがラストランで、来春からはダーレージャパンで人気種牡馬になる。昨年の覇者に距離を言うのはおこがましいが、ベストが1600㍍以下であるのは誰もが認めるところだろう。
南部杯でレモンポップに迫ったペプチドナイルは、距離延長の利で逆転を狙う。昨年の2着馬ウィルソンテソーロもJBCクラシック圧勝の勢いでレモンポップを倒す可能性がある。
強い古馬が相手だが、それでも大きく狙いたいのは3歳のラムジェットだ。ここ2戦は前々の競馬をしているが、この馬のよさが出るのは気楽に後方を追走できた時。今回はそれが可能で、追い合いに持ち込んだ時には2キロの斤量差が生きてきそうで、頭から狙う。同じ3歳のサンライズジパングも、差はわずかだ。
伏兵も多く、レモンポップが崩れた時には意外な大荒れも考えられる。
阪神ジュベナイルフィリーズは、ブラウンラチェットが一歩リードだが、ショウナンザナドゥの意外性も魅力。米国からデットーリ騎手を伴ってやって来るメイデイレディも、かなりの素質馬だ。