川崎フロンターレで7つのタイトルを獲得した鬼木達監督が、今季から指揮を執っているのは鹿島アントラーズ。開幕戦ではベルマーレ湘南と対戦した。その試合を、元日本代表の名良橋晃氏が自身のYouTubeチャンネルで分析した。名良橋氏は両チームに在籍していたことがあり、この試合を「名良橋ダービー」と表現している。
「現状のチームの積み上げの差が明確に出たゲーム。ベルマーレはいいスタートダッシュを切りたい。アントラーズは鬼木監督になって戦力も入れて期待度が高かったが、積み上げの差が出た」
湘南が1-0で勝利した理由として、チームの完成度を挙げたのである。そして試合の流れを細かく解説していくと、
「序盤はアントラーズだった。それをしのいで、徐々にベルマーレ。FWの2人に推進力がある。アントラーズが前から行くけど、このツートップに推進力があって(鹿島の選手の)背後に抜けるランニングもあるので、重心が下がり始めた。空いたスペースに湘南の2列目の選手が入ってきて、攻撃の優位性をとれるようになった」
試合は0-0のまま後半へ。
「後半、アントラーズがボールを保持したが、持たされた時間が多かった。そんな中、64分に福田翔生ですよ。メッシみたいなね。見事な先制ゴール」
名良橋氏は先制点を奪われた鬼木監督がどうするのか注目していたが、ゴール直後に2選手を交代。70分にはFWの2選手を交代させる、思い切った采配を行った。
「これによって、縦の推進力が少し出てきた。ベルマーレは後半に選手を代えて対応した。アントラーズはそれを崩せず、後半は完敗だった。チャンスらしいチャンスは1回だけ。まだまだ未完成。守備はプレスがハマらなかった。我慢強くやっていくしかない」
次の東京ヴェルディは湘南と同様に、前から強く来るチーム。鹿島がどんな戦いをするのか、鬼木監督の手腕が問われる試合になる。
(鈴木誠)