最近の深夜番組でお気に入りのとろサーモン久保田かずのぶと、ウエストランド井口浩之の冠番組「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日系)に緊急事態が発生した。
吉本興業の芸人がオンラインカジノで違法賭博をした疑いで、警視庁から任意で事情聴取を受けていることが明らかに。その中に久保田がおり、本人は関与を否定しているが、警察の判断待ちということで収録には参加せず。ピンチヒッターで呼ばれたのが、みなみかわと濱田祐太郎の2人だった。
緊急に集められたようで、「連絡がきたのは(収録の)20時間前」とみなみかわが言えば、濱田も「僕も昨日。ふだん電話がかかってこない時間にマネジャーからかかってきたから、何か見つかったんか」と。
その濱田は視覚障害を持つ漫談家、いわゆるピン芸人だ。2018年の「R-1ぐらんぷり」で優勝経験がある。障害者本人が自虐で笑いをとりつつ、時事ネタを斬るシュールなネタが面白い。R-1優勝以降、もっとテレビに出てくるかと思ったがそうでもなく、特にキー局ではほとんど見たことがない。多様性の時代といいながら、ぶっちゃけ盲目芸人は扱いにくいと思っているに違いない。
久保田には悪いが、そんな濱田を久々に見られたのはありがたく、相変わらずの自虐を交えた毒舌に大笑いした。例えば今回、自分が番組に呼ばれたことについて、
「俺は唯一、吉本でオンライン(カジノ)できない人間なんで、安心してください」
これに「盲目芸人の強み!」というテロップが出ていた。そういうことをサラリと言うから面白い。
「こんなに日々状況が変わる中、ぜったい大丈夫な人を見つけるのが大変」
と言う井口が「2人は大丈夫」と太鼓判を押すと、
「別に2人やったら拓さんと京極でもよかったわけですもんね」
と口を挟む。拓はダイタク、京極は9番街レトロ、どちらも相方がオンラインカジノ芸人だ。これに「難しいこと言うなよ」と井口が反応すれば、「キレ味あるなあ」とみなみかわが感心する。
この後もそのキレ味は発揮された。
濱田「数年前の吉本の闇営業の時なんかも、俺は見えてないから事務所を通した仕事も闇営業やって言うだけで、爆笑になった」
井口「吉本のなんかそういう時に濱田くん一番輝いている」
濱田「吉本の芸人が何か起こせば、俺が元気になる」
といった具合だ。この3人でずっとやればいいのに、と思った。
濱田の面白さを改めて認識したのだが、大阪ローカルだけでなく、これを機に東京でも活躍してほしい。なによりも「吉本で唯一、オンライン(カジノ)できない」というのは今の時代、最大のウリになるだろう。
(堀江南/テレビソムリエ)