3月2日の「サンデー・ジャポン」(TBS系)では、「高校の授業料無償化」に自民、公明、日本維新の会の3党が合意したというニュースとともに、「高額療養費制度の引き上げ」問題を取り上げた。そこでの杉村太蔵の発言が興味深かったのだ。
岸博幸氏(元官僚)や磯山さやか(タレント)らが意見を述べた後、杉村が切り出した。
「苦しい病気になって、そういう方々の負担は上がる。一方で、世の中に富裕層もいるわけですよ。その富裕層の高校授業料が、今度、無償化になるわけでしょ。全体の負担のバランスがね、おかしいんじゃないかっていうのが、僕の考え方なんですよね」
そして「私立高校を無償にする必要があるのか」という話題に対しても、持論を展開。
「今、『結婚できない』と言ってるのはどういう方かっていったら、残念ながら『経済的な不安がある』と。裏を返すと、結婚できてるのは、一定の年収がある方なんですよ。で、一定の年収がある方が結婚できて子供も授かったら、医療費は無料。昨年から児童手当も所得制限なしで支給されて、これから高校授業料も無償化されると。一方で、経済的理由で苦しくてなかなか結婚に踏み切れない…この単身世帯の保険がね、われわれっていったらちょっとおかしいけれども、富裕層の子供たちの医療費、タダになってるとか、どう考えてもバランスが悪いんじゃないか。この国の将来を考えた時に、負担は負担できる時、負担できる人が負担していかないともたないっていうのが、僕の懸念なんです」
そう熱く語る杉村の意見と正反対だったのが、同日の「ワイドナショー」(フジテレビ系)での鈴木おさむ(元放送作家)の発言だった。こちらも同じく「高校授業料無償化」の話題が取り上げられていたのだが、意見を求められた鈴木は「高校授業料無償化」に「賛成」の立場を示すと、
「20年、30年、40年後に日本を支えてくれる人が、今より絶対的に少なくなるわけで、だとしたら、いい教育をもっと与えるべきだなと。同時に税金の使い道ってとこで考えると、これをやったなら、全部は無理だし、指定校になると思うんですけど、僕は大学の無償化も考えていいかなと思います」
それくらいやらなければ少子化問題は解決しない、という口ぶりである。っていうか鈴木おさむ、引退したんじゃなかったっけ。
常々「小泉チルドレンの落ちこぼれ」程度にしか思っていなかった杉村だが、この日に限って言えば、日ごろの「薄口コメント」とは違い、思わずうなずく「濃厚」なものだった。
(堀江南/テレビソムリエ)