まだ若かった頃の本田圭佑と冨安健洋は、いったいどんな選手だったのか。サッカー元日本代表の井原正巳氏が北京五輪U-23代表でアシスタントコーチを務めた際、メンバーには本田がいた。鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルで、井原氏が赤裸々に語ったところによれば、
「変わっていたというか、すごい貪欲なので『井原さん、どうしたらビッグになれますか』…そんな質問をしてくるタイプ。俺が知ってたらもっとビッグになってるよ、って言ったんだけど(笑)。野心がすごい選手だったし、そういう選手が多かった。岡崎慎司も香川真司もそうだし、長友佑都とか内田篤人もそう。西川周作もね」
「ビッグマウス」が代名詞のような本田だが、U-23の時にはすでにその片鱗を見せていたのである。
2015年から2018年、井原氏はアビスパ福岡の監督として、日本代表の冨安健洋を指導する。
「トップチームに召集して練習させたり、試合もカップ戦からスタートさせた。どうなっていくんだろうという面白さ、育てがいがあるなと思った。その当時はまだ今みたいにアーセナルでやるとは、誰も思ってない」
とはいえ、いずれ大物になるとの期待は大きかったといい、
「本人の努力だと思うんだけど、キャラクターがプロ向きというか、本当にひたむきに努力するタイプ。ディフェンス向きでもある。あのサイズで右も左も蹴られるし、走れる。線がまだ細かったので、筋トレを毎日のようにやって、どんどん体が大きくなっていった」
そして最後に、冨安の野望エピソードを明かした。
「東京五輪の選手を目指している、と言っていて、そうなるためにも海外に行きたいと。それでシント・トロイデンに行ったんですけど、でも先に日本代表に入っちゃったんですよね。フル代表に飛び越えて入っちゃった(笑)」
日本代表として活躍する選手は、若い頃から少し違っていたようである。
(鈴木誠)