関節が痛い─。もしかしたら自律神経に原因があるかもしれない。
「関節痛」は外傷や痛風など原因はさまざまだが、この時期特有の大きな寒暖差、激しい気圧変動が要因となるケースも多い。気圧が低くなると、ヒスタミンが多く分泌され、それが自律神経に作用し、血管が収縮、血行も悪くなり、関節の痛みを発症するのだ。
ストレスなど心因性のケースで関節痛を発症する場合もある。春は異動や転勤など生活環境が変わりやすい。急な環境の変化などで自律神経が乱れ、体に緊張状態をもたらすためだ。
花粉症でも、関節痛を発症することがある。花粉という異物を体が排除しようとすることで、多くのエネルギーを消費してしまう。そのため、体力が消耗して免疫力が低下してしまうのだ。普段から弱っている関節に影響を及ぼすことがあるという。
関節痛の主な対策は適度な運動がオススメだ。なるべく関節に負荷をかけすぎない、ウォーキングや水泳、サイクリングなどがいいだろう。過度な運動は、かえって関節に負荷がかかりすぎ痛みが悪化することもあるため注意が必要。
寒暖差が大きな季節は、筋肉や関節が冷えて固まってしまうため、薄着をせずに、膝やひじ、腰、首元など、関節を冷やさない服装を心がけることもポイントだ。
食事は体を温める根菜類などを積極的に摂り、適切な睡眠、趣味などでストレスを解消することも自律神経を整え、症状の緩和や予防につながる。
万一、痛みが長く続いたり、悪化するようなことがあれば早めの受診が必要となる。
季節の変化への上手な対応と対策で関節の痛みを乗り切ろう。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。