市立船橋高校のエースとしてサッカー選手権で優勝し、日本代表としても活躍した北嶋秀朗氏がサッカーを始めたきっかけは、実に意外なものだった。いや、奇跡と言って差し支えないことが起きたのである。
それは小学1年生の時だったと、鈴木啓太氏のYouTube動画で語り始めた北嶋氏。
「小学校にサッカー少年団があったんですけど、そこのサッカーボールのケースを友達が持っていて、それを蹴りながら帰っていた。その姿がマジでかっこよくて『俺もやりたい』みたいな感じだった。親に『サッカーやりたい』と言ったら理由を聞かれて、ボールケースがほしいと言ったらやらせてもらえないので『サッカー好きなんだ』と説得した」
なんともユニークなきっかけである。この時、まさに運命を分ける出来事があったといい、
「親は野球をやってほしくて。小学校に野球チームがあった。でも野球チームの告知を見たら、小学3年生からしか入れない。3年生まで待てないし、それまでサッカーやらせてよ、と言って始めた。(サッカーチームに)入団した次の日の掲示板に『1年生から入団大丈夫』と告知されていた。あの1日は大きかった。サッカー選手じゃない人生があったかもしれない」
もしもサッカーチーム入団が1日後の予定だったとしたら…。その時は野球チームに入ることになり、北嶋氏はJリーガーではなくプロ野球選手になっていたかもしれない。まさに「運命の1日」だったのである。
(鈴木誠)