いわゆる中居トラブルでスポンサーから総スカンを食らったフジテレビは3月末をメドに、第三者委員会による調査結果が発表されることになっている。だがその結果次第では、まだまだCMスポンサー企業各社が戻らない状況が継続しかねない。となれば、番組制作費の捻出がままならなくなり…。
ただでさえ、2月の広告収入は前年比90%減となり、2025年3月期の業績見通しは下方修正を余儀なくされる状況なのである。
1月27日の10時間を超える会見で、フジテレビの港浩一前社長らは、こうした事態を招いた要因について、企業風土が関係していることに言及した。
ところが、だ。フジ・サンケイ・グループの「ドン」として君臨する日枝久氏による、驚くべき人事がまかり通っていた。
まず港前社長だが、フジテレビの常務取締役だった2014年7月、銀座のホステスとの不倫旅行を「週刊文春」に報じられたものの、局からの処分はなし。それどころか、8年後の2022年6月に社長の座をゲットした。
2018年4月、今度は当時の報道番組「プライムニュースイブニング」のメインキャスター・反町理氏のパワハラ疑惑が報じられた。当時30代の後輩女性記者に対し、「マグロを食べに行こう」とドライブデートに誘ったものの、拒絶される。するとその直後から、取材メモの共有をストップさせる。この件が報じられると、反町氏は社内会議で謝罪したという。
にもかかわらず、反町氏は2020年6月の人事で執行役員に就任し、翌年7月には取締役に昇進。フジテレビの「政治報道の顔」として君臨している。
「結局、2人とも日枝さんのお気に入りなので、何をやっても許されたような状態。とはいえ、港さんは失脚してしまった。現在の取締役は総入れ替えになりそうなので、反町さんの地位も危ういでしょう」(フジテレビ関係者)
世間の常識からはかけ離れた感覚が、現在の姿を招いたのだった。
(高木光一)