「昨年末頃から体の不調を覚えるようになり、医療機関を受診した結果、医師より、当面の間、静養することが望ましいとの助言を受けた」というダウンタウン浜田雅功で思い出すのは、2年前に浜田の「意識消失」と体調問題を週刊誌が取り上げたこと。様々な憶測が飛び交うが、妻の小川菜摘はリフレッシュ休暇であることを強調した。
まだ61歳の浜田が無期限休養とは尋常ではない。大病でないなら、考えられるのは「うつ病」だとか、それ一歩手前の危険信号が出たということでは…。うつ病発症前の危険信号は、人によっていろいろだ。
不眠、滑舌の悪さ、呂律が回らない、声が出ない、動作がゆっくりになる、うつ性の昏迷(外部の刺激に反応せず目を開けたまま意識消失、体が動かなくなる)、昏迷に伴う記憶障害、食欲減退、過食、体重の増減、下痢や吐き気、キレやすくなる、問いかけに反応が遅れる…など。
きっかけは過労とストレスで、責任感がある人ほど仕事を休まず、うつ病になりやすい。
脳血管や神経難病の病気でもこれらの症状は出るので、まずは病院受診を。記憶障害と若年性認知症が混同されるが、認知症は「昨夜、何をしていたのか忘れた」ことも忘れてしまう。
サラリーマンに多いのは精密検査の結果、脳には問題がないと言われたが、滑舌の悪さ、喉の奥の詰まり感、疲労感が続く…。違和感を覚えつつ、そのまま多忙な生活を送っていると、ある朝突然、布団から起き上がれなくなる。そこでようやくうつ病と診断されるというパターンだ。
近年の研究で、一度うつ病を発症すると、脳内の神経伝達物質の働きと産生が悪くなることがわかっており、そうなると長期休職を迫られ、最悪の場合、社会復帰は難しくなる。早期に休養を取ることしか、うつ病発症の予防策はない。
なお吉本興業は、浜田の休業は精神疾患やスキャンダルではないと断言している。相棒の松本人志が2023年末に「性加害疑惑を」を報じられ、年明けから芸能活動を中止。以降、1人でMCを回す重責は、視聴者にも伝わってきた。愛妻の言葉通り、今はゆっくり休んでほしい。
(那須優子/医療ジャーナリスト)