国会で堂々とタバコを吸えば、そりゃ問題になるだろう。
東南アジアのタイでは、国会内で電子タバコを使用しているとされるプラチャーチョン党のトンクラー議員の写真がSNS上で拡散し、倫理委員会の調査対象となる見通しだと、タイの各報道機関が伝えた。
問題の写真は3月11日にFacebook上に投稿されたもので、議場内で電子タバコを使用している様子が捉えられている。「国会のど真ん中で電子タバコとは何事か! 議員なら模範を示すべきではないのか」という批判的なコメントが添えられ、投稿は瞬く間に拡散。SNS上では非難の声が相次いでいる。
タイでは電子タバコの所持や使用が法律で禁じられており、違反者には禁錮刑や罰金刑が科される可能性がある。政府は取り締まりを強化しているが、一部の団体からは合法化を求める声が上がっており、規制のあり方をめぐる議論が続いている状態だった。
この騒動を受けて、タイ国内の電子タバコ販売店やオンラインショップの多くが、相次いで閉店。これまで街頭で見かけた電子タバコの露店は姿を消し、取り締まりがいっそう厳格化されていることがうかがえる。
こうした状況に戸惑いを見せるのが、タイを訪れる日本人旅行者だ。タイ国内では「アイコス」などの加熱式タバコを含め、電子タバコの持ち込みや使用が禁じられており、違反が発覚すれば没収や罰金の対象となる。このため、現地で販売されている電子タバコを利用していた旅行者は少なくない。ある旅行者は、
「これまで現地で購入して使用していましたが、今回の件で手に入れる手段がなくなり、困っています」
日本ではニコチンを含む電子タバコの売買が禁止されているが、個人の使用には特に罰則がない。そのため、タイで販売されている電子タバコは、日本人旅行者の間でお土産として人気を集めている。電子タバコの規制が厳格化する中、今後の法改正の行方が気になるところである。