社会

【江戸時代の怪談】いったいどこまでが真実!? 佐賀藩「鍋島の化け猫騒動」

 江戸時代に肥前・佐賀藩で起きた「鍋島騒動」と呼ばれるものがある。これは「鍋島の化け猫騒動」、すなわち怪談として伝わっている。

 佐賀鍋島藩の2代藩主・鍋島光茂がある日、盲目の青年である龍造寺又七郎を城中に招き、碁を打っていた。もともと龍造寺家は鍋島家の主筋だったが、天正12年(1584年)に島原半島沖田畷の戦いで龍造寺隆信が敗死したのを境に、没落。龍造寺一族の又七郎は客分として、1000石を与えられていた。

 その日、光茂は碁の名人といわれた又七郎に連敗。頭に血が上り、激昂のあまり又七郎を斬り殺してしまった。又七郎の母はわが子の死を嘆き、悲しみと怒りを飼い猫に語り、自殺する。流れる老婆の血をなめ尽くした飼い猫はやがて怪猫となり、光茂の愛妾・お豊の方を食い殺した上、そのお豊の方に化けて夜な夜な光茂を苦しめたという。だが、家臣の伊藤惣太、小森半左衛門が正体を見破り、退治。化け猫騒動は収まった。これがあらすじだ。

 だが実際は光茂ではなく、龍造寺隆信の義弟で、佐賀藩の藩祖となった鍋島直茂だ。そして又七郎のモデルは龍造寺隆信の孫・高房らしい。家臣だった直茂に実権を奪われた高房は、絶望して自殺を試みた。命こそ取り留めたものの、精神に異常をきたし、慶長12年(1607年)、江戸屋敷で妻を刺殺した挙げ句、再び自殺を図り、出血多量でこの世を去った。

 高房の父・政家は失意の末、あとを追うように病死した。高房の遺体は佐賀城下精の泰長院に葬られたが、その亡霊が白装束で馬に乗り、城下を駆け巡るようになったという。実際は龍造寺家の残党が治安を乱すため、暴れ回ったようだが…。

 直茂は高房のために天祐寺を建立してその霊を慰めたが、元和元年(1618年)、耳に腫瘍ができ、激痛のために81歳で悶死した。当時の人は高房の亡霊の仕業だと噂した、と伝わっている。

 いったい、どこまでが事実だろうか。

(道嶋慶)

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