サッカーファンがプロ野球に抱く疑問に「なぜドラフト制度があるのか」「高校野球はなぜトーナメント戦だけなのか」「プロ野球はなぜユース制度がないのか」というものがある。
例えばユース制度については、Jリーグのクラブはユースなどの下部組織を保有することが義務付けられている。技術だけでなく、精神面や肉体面であらゆるサポートをすることで、いい選手を生み出そうという狙いだ。これが功を奏し、日本代表は近年、圧倒的な強さを発揮している。サッカーファンにしてみれば、これを導入しないプロ野球界が不思議でならないのである。
これに答えたのが、プロ野球解説者の里崎智也氏だった。サッカー元日本代表・那須大亮氏のYouTubeチャンネルで、次のようなやり取りを展開したのである。
里崎「那須さんはちょっと勉強不足。アカデミーっていう、野球塾的なものはある。年末に向けて各チームのジュニアの選抜チームを作って、トーナメントで戦うのがある。高校になると甲子園がでかい(から、ユースはない)」
那須「選手の育成という意味では(ユースがあったほうが)伸びやすいんじゃないかな。プロに直結するんで」
里崎「いちばんはドラフトです。結局、育てても絶対にウチのチームに来てくれる保証はない。ジャイアンツユースに入っても、ドラフト指名でロッテに取られてしまう。直結がないから、作るメリットが球団にない。サッカーのシステムのような100%うまみがないんで、やるメリットが薄い。移籍金制度もないので儲からない。サッカーと野球、どちらがいいとか悪いとかではなく、システム的に違う」
なるほど、そう言われると確かにナットクで、「那須さんよりサッカー界をわかっている」との評価も出たのだった。
(鈴木誠)