「カブス×ドジャース」の開幕戦は、ビデオリサーチの発表によると、瞬間最高視聴率は35.7%だったそうだ。開幕戦前の公開練習の観覧チケットまでプレミア化したというから、「大阪万博2025」の関係者はさぞや歯噛みしたことだろう。
いよいよシーズンが始まり、さらにワイドショーも報道番組も大谷翔平の話題で持ち切りになることは間違いない。今年はいよいよ二刀流復活との話もあるし。
ただ、ここまで「大谷、大谷」だと、興味のない人はおろか、ファンですらも食傷気味になりはしないか。
なにせここにきて「お~いお茶」「日清製粉ウェルナ」「ファミリーマート」「セコム」、はてはコーセーの美容液CMにまで大谷が出演しており、どの民放局にチャンネルを合わせても、必ず見かけるのだから…。あ、フジテレビでは見ないか。
いや、別に大谷自身に否はない。これだけの人気者なのだから、そりゃ企業はこぞって起用したくなるのはわかる。が、この過剰な大谷フィーバーに対し、世間の一部では「大谷ハラスメント」なんて言葉が囁かれるようになってきた。
なんでもかんでも「ハラスメント」にする風潮には辟易するが、そう言いたくなるような場面に出くわした。
3月19日の「ぽかぽか」(フジテレビ系)のオープニングでのこと。挨拶の際に神田愛花が「あれ、何回やりました? 昨晩から」と言うと、大谷が出塁した際に見せるパフォーマンスポーズをしてみせたのだ。しかしこれに、観覧席はみな無反応。「もう10回はやったよ、って方?」と挙手を促すも、いっさい上がらず。「あれ、いないの?」と驚いた神田は、観客に向かって「大丈夫ですか、みなさん」と声をかけるも、苦笑いしか起きなかった。
単に「ぽかぽか」観覧客のノリが悪いのか、この日のゲストが若者受けしなさそうな伊吹吾郎と麻丘めぐみだったからテンションが低かっただけなのか、それともみんな「大谷ハラスメント」と感じている人たちだったのか…。
いろんな理由が考えられるが、おそらく神田のこのはしゃぎっぷりと、「なんで(大谷報道で大モメした)フジテレビでしれっと大谷の話題出してんの?」ということに嫌悪感を抱いたリアクションだったのではなかろうかと思う。
この状況をまとめた澤部佑(ハライチ)の「今日も試合やりますけどね。フジテレビは何も関係ないですけど」のひと言が全てを表していた。
(堀江南/テレビソムリエ)