ユースからそのままトップチーム入りすることが多いサッカーJリーグだが、近頃はその流れが変わってきている。ストレートにプロ入りするのではなく、大学に進学して4年後にJリーグ入りする選手が増えたのだ。中にはトップチームからのオファーがありながら、あえて大学に進むこともある。日本代表の三笘薫はその代表格だ。
なぜこの流れが生まれたのか。大学に進学すると何がいいのか。ジュビロ磐田のジュニアユースでプレーした後、静岡の藤枝東高、明治大学と進み、大卒で磐田に入団した元日本代表の山田大記氏が、鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルでぶっちゃけている。
「4年間の中にある程度、各学年ごとに学べる要素が内包されている。(大学に入学すると)カテゴリーが上がって、すごく難しい中で環境に順応しないといけないとか、多くの学生がひとり暮らしを始めて、人間的にも自立しなければいけないなど(メリットはある)。一方でプロは若干、変な環境に身を置いてしまうこともある。甘やかされたり、お金を持ってしまったり。(大学は)みんなバイトをしながら、苦労しながらサッカーする経験ができるのも(大学を選ぶ理由の)ひとつ」
環境面と精神面の利点を挙げつつも、
「Jリーグで21歳、22歳だとまだまだ若手で、先輩たちの背中を見ながら学べる。大学サッカーは学生がしっかりマネージメントをしながら、組織を回していく。組織を主語にして、自分で考えて行動することを経験できる」
高卒でJリーグ入りして先輩たちに夜の街に連れていかれ、遊びを覚えてしまったことを後悔した選手もいる。人によってはJリーグよりも大学に進学する方が得策かもしれない。プロを目指す高校生は、よく考えて進路を選んでほしい。
(鈴木誠)